歴史は「25年ごと」に考えると見方が変わる 戦後、日本は3つの時代を生きてきた

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歴史の変化は25年単位で読み解け、さらには150年単位、500年単位で大きな歴史を考えることができる(写真:ghandi/PIXTA)
混迷を極める現代においても「歴史の尺度」を駆使すれば、日本や世界がたどる未来の道筋が見えてくるという。『大予言 「歴史の尺度」が示す未来』を書いた東京大学大学院情報学環・学際情報学府の吉見俊哉教授は、時代は25年単位で読み解けると話す。

「世代間隔」という人口学的要因

──時代は「歴史の尺度」で読み解けるのですか。

歴史の変化は25年単位で読み解け、さらには150年単位、500年単位で大きな歴史を考えることができる。

──25年単位?

近年でいえば、日本の歴史は1945年から1970年までの25年、1970年から1995年までの25年、そして1995年以降という3つの25年単位で流れてきた。戦後直後の1945年から1970年は「復興と成長の25年」、続く1970年から1995年までは「豊かさと安定の25年」、そして1995年以降は2020年までを「衰退と不安の25年」と位置付けることができよう。それぞれの25年のまとまりには、その前後の25年と異なる傾向がはっきりとある。これはそれ以前についてもいえることだ。

──25年単位には人口学説の裏付けがあるのですね。

少なくとも19世紀以降の日本の歴史の変化を25年単位でとらえることは、歴史事象の観察からそういえるだけでなく、有力な理論的根拠がある。「世代間隔」という人口学的要因だ。25年という年数はほぼ親子の世代間隔に相当する。女性が子を出産する際の年齢の平均値が、親世代と子世代の間の平均的な時間距離になる。この世代間隔は過去数百年を通じて25年から30年に収まってほとんど変化していない。

人口は連続的に変化していくので、親子の世代間隔がほぼ25年になるのはどの年代に生まれた世代でも同じなのだが、大きな社会的事件、あるいは戦争や内乱のような「大きな死」とその後の「大きな生」との遭遇は連続的ではない。そしてその時代に生まれた一群の世代は、ある一定期間にわたり社会の動向を左右し、その後も一定期間、影響力を保持し続けることになる。

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