次いで64人のアステラス製薬、55人の第一三共、さらにエーザイ(46人)、塩野義製薬と沢井製薬(ともに39人)と製薬会社が集中して続く。
塩野義製薬と沢井製薬は女性新入社員も全員が残っているため、塩野義製薬は男女合計数で中国電力について2番目、沢井製薬は3番目という結果だった。ちなみに、アステラス製薬は53人の女性新入社員のうち7人、第一三共は38人のうち6人、エーザイは30人のうち4人が辞めたため、全体の順位は281位、299位、246位にとどまった。
169社を業種別に見てみると、最も多いのは化学の21社、次いで電気機器と卸売業が共に17社ずつ、以下、機械16社、情報・通信業が14社などとなっている。男性新入社員数の多い企業としては、化学では日本曹達と大日精化工業が共に37人、アイカ工業32人など、電気機器では安川電機47人、アズビル45人などが名を連ねている。
男性1人採用はレアケース
男性新入社員の3年定着率100%企業が169社なのに対し、前回の「女性編」で紹介したとおり、女性の3年定着率100%企業は303社あり、男女間でかなり大きな差が見られる。
これを入社した人数別に分類すると、新入社員が10人以上の企業は男性編では169社中70社なのに対し、女性編では303社中52社にとどまる。その一方、5人以下では男性は53社、女性は210社と女性のほうが圧倒的に多くなる。そもそもの採用数が女性のほうが少ないため、当然の結果ではある。極めつきはここからで、採用数が1人だけのケースは、女性は52社あるのに対し、男性はわずか1社だけだ。
そのわずか1社がシーボンだ。同社の沿革をたどってみると、1966年に女性の“美を創造し、演出する会社”として誕生したとあり、女性向けの化粧品の製造・販売、およびビューティサロンを全国展開する、まさに女性のための会社だ。そのため同社の従業員構成も、全従業員数1179人のうち女性が1081人とその差は歴然としている。そういう会社に1人飛び込んだ男性新入社員は、同期入社64人の女性の半数以上が辞めるなかでも、しっかり残っている。
これまで男性社会だった日本の企業社会にあって、商品開発やマーケティング等において、女性目線が必要とされ、女性が参加して生まれた商品やサービスがヒットした例は、枚挙にいとまがない。それと同様、女性のための商品・サービスであっても、異なる視点が求められるのかもしれない。また、どのような業態だとしても、企業経営という観点からは男性不在というわけにはいかない。したがって、将来の幹部候補生という重要な役割を期待されているのかもしれない。
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