愛犬を「可哀想なワンちゃん」にしない食事法 ペット業界を知り尽くした男が本音で語る!

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ワンちゃんのしつけは、おやつなしでもできます。実際、ドッグライフカウンセラーとしての私の師匠は、おやつを一切使いません。犬との信頼関係を築いて、自在にコントロールできます。

喜んで食べるから、つい与えすぎる

動物病院に来るワンちゃんに多いのが肥満です。人間の場合と同様で、ワンちゃんの肥満の原因は、食べる量が運動量よりも多すぎることです。

では、なぜ食べすぎるのか。

どうやら、根本的な理由は、飼い主さんにあるようです。

なぜなら、日本のワンちゃんの場合、肥満の原因は、運動不足よりもむしろドッグフードの与えすぎにあるからです。飼い主さんが食べ物を与えると、犬は基本的に、喜んで食べます。その様子を見て、勘違いする飼い主さんが多いのです。

「こんなに喜んでいるんだから、もっとあげよう」

それで、つい、与えすぎになり、肥満につながるわけです。でも、これは飼い主さんの自己満足ではないでしょうか。

私が顧問を務めるピーリンクで、ドッグフードに関して飼い主さんにアンケートを取った際、次のような意見が実に多いことに驚かされました。

「自分のワンちゃんにとってどのフードが合っているかわからない」

「ペットショップで言われたものをとりあえずあげている」

「よく食べるので、多めにフードをあげているが、適正量はわからない」

「自分が食事をしているとそれを欲しがるので、つい私達が食べているものをあげてしまう」

繰り返しになりますが、ドッグフードは総合栄養食ですから、基準量を超えて与えてしまえば、栄養の摂りすぎになります。習慣的に与えすぎていれば、やがて、肥満になってしまうのは当然なのです。

飼い主さんが食事の量をきちんと管理し、子犬の頃から1日に必要な量を守っていれば、肥満になることは基本的にありません。

肥満になれば、ワンちゃんの健康が損なわれて、人間同様、さまざまな生活習慣病になってしまいます。そうならないようにすることが、本当の愛情でしょう。

また、自分が食べているものを与える飼い主さんもいらっしゃいますが、食べ物によっては、人間には大丈夫でも、犬には命にかかわるような危険な食べ物もあります。絶対にやめていただきたいと思います。

「喜んで食べるから」と、ドッグフードを与えすぎたり、ほかの食べ物を与えるのは、ワンちゃんが喜んでいるというよりも、自分が嬉しいことのほうを優先しています。

どうか、早く勘違いに気づいてほしいものです。

橋長 誠司 ピーリンク顧問

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はしなが まさし / Masashi Hashinaga

30年以上にわたりペットフード流通の第一線で活躍。ペット業界の裏表を知り尽くした男。「ペットフードの日」の名づけ親。

1962年生まれ。大学を卒業後、共立商事(現在の共立製薬)に入社。MR(医薬情報担当者)として、動物病院に対する動物用医薬品(ワクチン、駆虫薬など)、食事療法食の営業に従事。その後、ユニ・チャーム、日本ヒルズなど国内外のメーカーでペットフードのマーケティングに携わる。

この間、国内のペットフードビジネスを盛り上げる目的で、ペットフード協会に対して「ペットフードの日」を提案。これが実り、現在、毎月20日がその日になっている。ドッグライフカウンセラーの資格を持ち、しつけを含め人と犬の生活を快適に送ることができるよう、ペットオーナーに対してもアドバイスを行っている。

現在は、ペット関連情報等の発信などを行っているピーリンクの顧問を務める。

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