ドイツ、サイバー攻撃・偽ニュースに戦々恐々 9月の連邦議会選挙を控えて懸念広がる

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「機密書類が保存されている連邦議会のサーバーに、十分な防御がない」と、独情報機関の連邦情報局(BND)のアウグスト・ハニング元長官は話す。

BSIは現在、連邦議員や州議員、政党やそのシンクタンクの職員に対し、サイバー訓練を実施している。

だが、三権分立が厳密に守られているドイツにおいて、BSIは議会に助言することはできるが、強制することはできない。「交通安全を教えているようなものだ。われわれが、『赤信号で道を渡らないでください』と言っても、守るかどうかは彼ら次第だ」と、BSIのアルネ・シェーンベーム長官はロイターに語った。

ドイツ政府はまた、いわゆる虚偽ニュースの取り締まりも強化している。対象は、ロシア寄りのプロパガンダに影響されやすいとみられている約300万人のロシア系ドイツ人だ。2016年1月に、13歳のロシア系ドイツ人の少女が移民にレイプされたとの根拠のないニセ報道が広まり、自発的な抗議活動に発展したことを受け、こうした懸念が強まっている。

必要なのは「批判的思考の技術」

連邦政治教育センターのトマス・クルーガー氏は3月、地域のコミュニティ指導者250人を集めて、啓発会議を開催した。

「われわれは、この問題についてもっとオープンになり、なるべく多くの人が批判的思考の技術を身に着けるようにしなければならない」と、同氏は話す。

ロシアは、攻撃力の高い情報は重要なタイミングまで取っておくことで知られている、と米戦略国際問題研究所(CSIS)のジム・ルイス氏は指摘する。

「ワイルド・カードは、選挙戦が近くなった時に炸裂させられるような何かを、ロシアが2015年のサイバー攻撃で得たかどうかだ」と、同氏は言う。「8月になったら、非常に緊張するだろう」

(Andrea Shalal記者 翻訳:山口香子 編集:下郡美紀)

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