「外資のネスレ」がここ日本で躍進できる理由 ネスカフェアンバサダーがいかに「型破り」か

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顧客に奉仕の精神がある人がいなければ、ネスカフェ アンバサダーの仕組み自体が機能しません。ある意味ネスカフェ アンバサダーは、まじめな人が多い日本だからこそ、ここまでうまく回っているということができるかもしれません。

新しいイノベーションを生み出し続ける

個人的にも興味深いのは、外資系企業の代表的な会社であるネスレの日本法人であるネスレ日本が、こうした日本ならではの環境や、日本人ならではの性格を活かして、新しいイノベーションを生み出し続けている点です。

ネスレ日本の高岡社長によると、ネスレ日本はネスレの日本法人だから、日本市場で利益を出すのがミッションであり、海外市場に活路を見いだせないからこそ日本市場と本気で向き合うしかないという面もあるそうです。

ワールド・マーケティング・サミット2016に登壇したネスレ日本の高岡浩三社長兼CEO(写真:H&Kグローバル・コネクションズ)

ただ、逆に言うと外資系企業であるネスレ日本ができるのであれば、日本を拠点にする日本企業がネスレ日本と同様に日本ならではの環境や、日本人ならではの性格を活かしたイノベーションに挑戦することは可能なはず。

『顧客視点の企業戦略 アンバサダープログラム的思考』(宣伝会議)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

日本市場はこれから世界の多くの国々が直面するであろう「高齢化」や「少子化」などの多くの課題に最初に直面する「課題先進国」だと言われています。ただ、実はこの「課題先進国」における顧客の課題を一番に解決するイノベーションを生み出すことができれば、そのイノベーションを日本以外の世界に展開する絵も見えてくるはず。

実際にネスレ日本では、ついに昨年から国ごとの壁を越えて、韓国市場に対してネスレ日本の商品を輸出するという取り組みを開始していますし、ネスカフェ アンバサダーについては各国の現地法人から自分たちの国でもやってみたいという問い合わせが来ているそうです。

外資でも日本資本でも、日本市場で勝負するのであれば、大事なことは日本の顧客の問題を解決する姿勢ということが言えるでしょう。

徳力 基彦 noteプロデューサー、ブロガー

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とくりき もとひこ / Motohiko Tokuriki

NTTやIT系コンサルティングファーム等を経て、アジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。代表取締役社長や取締役CMOを歴任し、現在はアンバサダープログラムのアンバサダーとして、ソーシャルメディアの企業活用についての啓発活動を担当。note株式会社では、noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるブログやソーシャルメディアの活用についてのサポートを行っている。
個人でも、日経MJやYahooニュース!個人のコラム連載等、幅広い活動を行っており、著書に「顧客視点の企業戦略」、「アルファブロガー」等がある。

 

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