「外資のネスレ」がここ日本で躍進できる理由 ネスカフェアンバサダーがいかに「型破り」か
もともと、キットカットは、国ごとの消費者の嗜好に合わせるため、国や地域ごとに味を変えて販売していたそうですが、さらにネスレ日本の元でキットカットは、世界でも珍しい多品種展開を行っています。
象徴的なのは2004年に発売された「宇治抹茶」味、今では海外の旅行者の定番土産となっているそうですし、それ以外にも、地域ごとにさまざまなフレーバーを展開するご当地シリーズなど、ネスレ日本では累計で300種類以上のフレーバーの製品を発売。他国のネスレでは数種類がせいぜいで、日本ほど多様な味をそろえている国はないそうですから、ご当地物や新商品好きな日本人向けの取り組みといえるでしょう。
世界初!キットカット専門店
ただ、ネスレやキットカットにとって日本市場がバラ色の市場というわけでは必ずしもありませんでした。ワールド・マーケティング・サミット2016に登壇したネスレ日本の高岡浩三社長兼CEOは、「日本における人口減少や少子化は、食品メーカーにとっては胃袋が減ることを意味する死活問題だ」と話しました。
キットカットのような低価格なチョコレート市場も、人口減少により規模が縮小することが想定されるわけです。これは日本の食品メーカーすべてにも問われている問題で、多くの日本企業は活路を海外市場に求めて海外進出をしたり、今から拡大路線を回避してリスクを避けたりしています。
しかし、ネスレ日本はこの縮小市場において、新たな活路を見いだします。
それが「キットカット ショコラトリー」という取り組みです。これは2014年から展開されたキットカットの専門店で、有名パティシエの高木康政氏とのコラボレーションという形で開発されたプレミアムなキットカットを販売しているもの。
最初は東京を皮切りに全国の百貨店にリアルの店舗を出店する形で展開されていましたが、2015年にはオンラインショップも開設。現在ではキットカット ショコラトリーの姉妹商品が、スーパーやコンビニにも展開されるまでにラインナップが拡大しています。
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