「かぐや姫」に隠された恐怖の裏ストーリー 「竹取物語」は愛の物語なんかじゃない

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「さればこそ異物の皮なりけれ」と言ふ。大臣、これを見給ひて、顔は草の葉の色にて居給へり。かぐや姫は、「あなうれし」と喜びて居たり。かの詠み給ひける歌の返し、箱に入れて返す。
なごりなく 燃ゆと知りせば 皮衣 おもひの外に おきて見ましを
とぞありける。されば帰りいましにけり。
【イザ流圧倒的意訳】
「偽物だったわねぇ」と姫が言う。大臣は、盛大に燃える毛皮を見て、草の葉のように顔を青ざめて、ポカンと座っている。その一方姫が「うれしい、わーい!」と大喜び。大臣が品を持ってきたときに差し出した歌への返歌を、毛皮が入っていた箱に入れてその残りかすと一緒に突っ返した。
そんな簡単に燃えるものだと知っていたら、火になんかに近づかせないで眺めていたのにぃ。残念!
その言葉を読んだ大臣が黙って帰った。

 

もはやコメディそのもの……。しかし、燃え立つ炎を眺めながら大臣の失敗を笑っているかぐや姫はまるで悪女。顔こそきれいだが、情けゼロ。そして、大喜びの彼女の後ろに隠れて、作者不詳、あなたがニヤッとしているのも、わたしにはわかる……。日本人はよくもこの物語を子どもに読み聞かせている、と驚く。

続きまして大納言大伴御行は竜の首に光る玉を持ってくるように命じられる。こりゃもう命懸けだ。大納言大伴御行は他の挑戦者と違ってもう少しまともで真剣にそのお題に取り組もうとするが、自ら船に乗っているときに嵐に遭い死にそうに。何せ相手は竜だもの……。

命こそ落とさなかったものの、神経や内臓をすっかりやられて、腹がパンパンに膨れ上がって、両目はスモモを2つくっつけたように腫れあがっているという変わり果てた姿に。あれは女じゃない、悪魔だ!! とかぐや姫を罵(ののし)り、もう2度と彼女が住むところに近付こうとしなかった。

かわいそうな最後の挑戦者が手にしたものは

そしていよいよ華々しくフィナーレ。中納言石上麻呂足には燕(つばくらめ)が持っている子安貝というお題が出される。ほかの品に比べるとちょっと地味に見えるが、思わぬ展開が待っている。

子安貝をかっぱらうために、燕がヒナを産み落とすタイミングを見計らっていると、どこからともなく現れた物知りのおじいさんに、燕は尾をあげて7度回ってから卵を産み落とすと聞く。

それでは、と待ち構える中納言。平安時代では身分の高い男性ほど裾の長いものを身に着けていたようだが、足に引っかかりそうな衣服を着て、頭に被り物をして籠に乗る中納言と、その周りに忙しく動いている家来たちの様子を想像しただけで、笑いがこみあげてくる。

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