「かぐや姫」に隠された恐怖の裏ストーリー

「竹取物語」は愛の物語なんかじゃない

「いづれも劣り優りおはしまさねば、御心ざしのほどは見ゆべし。仕うまつらむことは、それになむ定むべき」と言へば、「これよきことなり、人の御恨みもあるまじ」と言ふ。
【イザ流圧倒的意訳】
どなたの愛情にも優劣をつけられないので、私の願いをかなえてくれるかどうか、それこそ愛の証拠じゃないかしら。欲しいものをもって来てくれる人がいれば、その人を結婚相手にするわ」と姫が言い、爺さんは「そりゃいい考えだ。それならみんなが納得してくれるだろう」と大いに賛成。

 

やれやれ、ちょっとした宝石とか立派な着物とかで我慢してくれるだろう、と高をくくっていた貴公子たちもすぐに賛成するが、待ち構えていたのは想像を絶する難題ばかりだ。

石作皇子には仏の御石の鉢。それはインドに1つしかないという高級品だ。3年間ほどブラブラしてから、そこらの山寺に置いてあった黒くすすけた鉢らしき代物を盗んできて、シレッとした顔で姫に出してみるが、即バレて脱落。さすがにこんな根性無しの男を姫と結婚させるわけにはいかないと爺さんも納得する。

エスカレートしていくかぐや姫の「注文」

車持皇子には中国にあるといわれている蓬莱の玉の枝を注文。根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝という、誰も実物を見たことがない品を探すのは至難の業だ。

それっぽいものを作れば竹取の爺さんもかぐや姫もうまくごまかせると企んだ車持皇子は、全国から職人を集めて秘密工場を造る。完璧な偽物が出来上がり、姫と爺さんがだまされそうになるが、報酬がきちんと支払われていなかった職人の内部告発によって、車持皇子のウソがばれてしまう。財力も失い、大恥をかき、2人目の挑戦者も断念。

右大臣阿倍御主人には中国にある火鼠(ひねずみ)の裘(かわごろも)を注文。インドの次は中国――やはり海外のブランド物にあこがれるのは現代女性だけではないようだ。火鼠なんぞ、想像しただけでも背筋が凍るのだが、その毛を織って作った布が火に燃えず、汚れても火に入れると真っ白になるという特別なものだと言い伝えられていた。

そんな珍しい高級品は簡単に手に入れられるはずがないが、右大臣阿倍御主人は、このコネやあのコネを使って、それを持っていると言い張る商人を見つけることに成功。お人好しなのか、確かめもせずに大金を注ぎ込み、目当ての品を手に入れて、スキップでもしながら得意げに姫のところに持っていく。

以前贋作にだまされそうになった姫は早くも学習して、プレゼントが差し出されるや否や、すぐさまに火をつける。案の定、贈られた布が目の前でメラメラと燃え始める……。

次ページここでかぐや姫が放つ強烈な一言!
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