コスト8割減も!ベトナムのオフショアが熱い 戦々恐々とする日本の高給エンジニア
高給な先進国開発者を飲み込む“平等”な戦い
同社が開発を請け負っているプロダクトは、人材企業の求人サイトなどのウェブメディア、スマートフォンアプリ、業務用アプリケーション、Eコマースサイトなど幅広い。また、会社設立当初はベンチャー企業からの依頼が多かったが、最近では上場企業と取引することもあるという。徐々にオフショア開発に対する企業の懸念が払拭され、その裾野が広がりつつあることがうかがえる。
この傾向が続くと苦しくなるのは、日本をはじめとする人件費が高い国の開発者たちだ。実際に、人件費が安い国の開発者たちと平等な戦いを強いられる状況はすでに一部進行しており、大山氏の元にもベトナムに移住して、社員として働きたいという日本人開発者からの応募が来るという。
「開発ができるということだけが売りの日本人開発者が、これまでと同じようにいい給料をもらって働き続けるのは、これからは難しいでしょう。それに、成果物が画一的ならば、人件費が圧倒的に安い国の人材に頼みたいと考えるのは、経営者として当然の感覚。最近では、グロースハッカー(*注)なんて言葉も出てきていますが、そうした付加価値のある開発者を日本人は目指していくべきです。もちろんそれは、経営者である私にも言えることですが」(大山氏)
オフショア開発の現場に、グローバル時代の競争の縮図を垣間見た気がする。
*プロダクトの成長(ユーザー数の増加など)までを考える、マーケターのような資質を持った開発者のこと。フェイスブックにはユーザー獲得チームがあることはよく知られている。
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