倒産件数8年連続減少に潜む「不都合な真実」

サービス業には倒産が増えている業種も

8年連続で減少し、ついにバブル期並みに水準が低下した、日本の企業倒産件数。だが、はたしてこの現状は喜ぶべきものなのだろうか。

信用調査会社の東京商工リサーチがまとめた2016年度の全国企業倒産件数(負債額1000万円以上)は8381件と、1990年度以来、26年ぶりの低水準となった。前年度を下回るのは、これで8年連続。また、9000件を割り込んだのは2年連続となる。

金融庁の「指導」により、中小企業は潰れない

背景にあるのは、金融機関の融資姿勢の柔軟化だ。リーマンショックによる景気の落ち込みを背景に、2009年に中小企業金融円滑化法が施行されたことで、中小企業が"リスケ"(リスケジュール、返済条件などの変更)を申し込んだ場合、金融機関はできるだけ柔軟に対応するよう、努力義務が定められた。

2013年に同法が終了した後も、金融庁は金融機関に対し、「貸し付け条件の変更や円滑な資金供給に努める」ことなどを求めてきた。また、同庁は近年、担保の有無にかかわらず、事業内容や成長可能性などで評価する「事業性評価」に基づく融資を推奨している。

こうした状況下、全産業ベースで見ると、資金繰りに窮する中小企業は減少傾向にある。だが一方で、今回の調査で5年ぶりに倒産件数が増加に転じた産業があった。サービス業(前年度比5.8%増)だ。その中でも、件数が107件と同67.1%の急増となったのが老人福祉・介護事業である。

日本社会の高齢化が進む中で需要が拡大傾向にあるというのが、同業界に対するこれまでの一般的なイメージだろう。だが、実態として倒産件数は増加基調をたどっている。背景に何があるのか。

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