私たちの給料は、なぜこの額に決まったのか 納得いかないので東大名誉教授に聞いてみた

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自分の基本給がどう決まっているか知っていますか?(写真 :xiangtao / PIXTA)
12月はボーナス支給の月。増えた人、減った人、悲喜こもごもだと思います。でも、サラリーマン生活を10年以上続けている人でも、ボーナスのもとになる「基本給がどう決まっているか」知らない人も多いのではないでしょうか?――実は、すべての基盤には「経済学」の考え方があったのです。東京大学名誉教授の井堀利宏氏(最新刊に『大学4年間の経済学がマンガでざっと学べる』がある)にイラストレーターのカツヤマケイコさんが聞きました。

給料を「経済学」的に考えてみると……?

「給料を上げたい」。

これはすべてのサラリーマンの、共通の願いでしょう。でも、どうしたら給料が増えるのか、そもそも給料がどのように決まっているのかを知っている人は、少ないのではないでしょうか。実は「ミクロ経済学」を知っていると、そのメカニズムがわかるのです。

ミクロ経済学は簡単にいうと、世の中のすべての経済活動について、「価格はどのような仕組みで決まっていくのか」を解明する学問です。そして価格とは、需要と供給のバランスによって決まります。

これを表現したグラフが、経済学でよく見る「需要供給曲線」です。

実は私たちの給料(賃金)は、企業の生産要素のひとつである「労働の価格」なので、モノの値段と同様、この需要曲線の応用で説明ができます。

『大学4年間の経済学がマンガでざっと学べる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

すべての企業の目的は、利潤の追求です。そのために企業は「生産要素」と呼ばれる「労働(例:私たちの日々の仕事)」「土地(例:家賃)」「資本(例:設備)」を投入して、モノやサービスを作り、利益をあげています。経済学的に見ると、私たちサラリーマンの日々の仕事は、企業が利益を得るための、ひとつの要素なのです。

賃金とは、私たちが企業に対して「労働」という生産要素を供給した対価です。当然、企業は、支払った賃金(=労働に投入した費用)から最大のメリットを得たいと考えます。そこで、企業は、労働を追加することで増加する費用よりも、追加した労働によって得られる金額(生産価値)のほうが高い限り、労働に費用を投じ続けます。単純に言えば、時給1000円で雇った人が1時間で2000円分の商品を作ってくれるなら、企業にとってその人を雇うメリットはあります。そして、「この調子なら、もっと人を雇って売り上げを伸ばそう!」と考えるわけです。

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