「低所得者こそ賃金が上がらない」という矛盾 完全雇用なのになぜ賃金上昇率が鈍いのか
毎年恒例の春闘シーズンがやってきた。
経団連(日本経済団体連合会)の榊原定征会長と連合(日本労働組合総連合会)の神津里季生会長が2月2日にトップ会談を行い、いよいよ春闘が始まった。経団連は1月17日に、いわゆる経労委報告(経営労働政策特別委員会報告)を公表し、今年の春闘に臨む方針を示している。
市場環境は良いのに組合は及び腰?
労働市場をみる限り、労働者側にとって今春闘も追い風が吹き、賃上げの環境は十分整っているようにみえる。2016年12月の有効求人倍率は1.43倍(季節調整値)。1991年7月(1.44倍)以来の売り手市場が続いている。
失業率も昨年7月以降3.0~3.1%で推移している。労働力人口は1998年にピークを迎え、今後減り続ける一方だという労働需給を考えれば、もう少し賃金が上昇してもおかしくないはずだ。
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