「1人あたり」は最低な日本経済の悲しい現実

日本の生産性は、先進国でいちばん低い

「『日本の生産性は先進国で最低』と言われて、悔しくないですか。私は、悔しいです。日本はこの程度の国ではありません」(撮影:尾形文繁)
日本は「成熟国家」などではない。まだまだ「伸びしろ」にあふれている。
著書『新・観光立国論』で観光行政に、『国宝消滅』で文化財行政に多大な影響を与えてきた「イギリス人アナリスト」にして、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社社長であるデービッド・アトキンソン氏。
彼が「アナリスト人生30年間の集大成」として、日本経済を蝕む「日本病」の正体を分析し、「処方箋」を明らかにした新刊『新・所得倍増論』が刊行された。そのポイントを解説してもらう。

さまざまなジャンルの世界ランキングで高位置にいるが

『新・所得倍増論』書影をクリックすると、アマゾンのページにジャンプします

「日本人は『○○の分野で世界第○位』という話が大好きだ」

これは初めて日本に来てから31年、私が日本の皆さんに対して抱いてきた率直な感想です。

私はバブル直前の1985年、日本にやってきました。そのころ日本はすでに「世界第2位の経済大国」で、国中に自信がみなぎっているのを感じました。いまは中国に抜かれて第3位になっていますが、それでも世界には190以上の国がある中での第3位ですから、たいへんすばらしいことだと思います。それ以外にも、輸出額、製造業生産額、ノーベル賞受賞数など、さまざまなジャンルの世界ランキングで、日本は高い地位を占めています。

これらは、まさに「一流国家」というにふさわしい実績でしょう。そんなすばらしい実績を達成した日本人が、「自分の国は第○位だ」という話を喜ぶのは、ある意味で当然だと思います。

ですが、不思議なこともあります。日本ではなぜか、欧州では当たり前の「1人あたりで見て、世界第○位」という話はほとんど聞かれません。「全体で見て第○位」という話ばかりなのです。

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