箱根が再開発で高級化、沸騰する「湯煙戦争」 藤田観光はじめ大手ホテルの再開発が続々

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

箱根エリアで再開発に踏み切る大手は藤田観光だけではない。国際興業グループ傘下の富士屋ホテルチェーンは、1891年竣工の、“箱根の顔”といわれる旗艦「富士屋ホテル」を全面改修する。2018年4月に着手し、2020年春の再開業を目指す。会社側は「詳細は決まった時点で発表する」としている。

大手ホテルコンサルティング会社・ホーワスHTLの高林浩司氏は、「実際に訪れると老朽化が目につく。需要が堅調な中で、周辺に新設が相次ぎ供給も増える。(競合に対抗するため)全面改装に踏み切ったのではないか」と分析する。

パレスホテルも18年1月に閉館し建て替えを検討する(記者撮影)

芦ノ湖周辺ではオリックスグループが初の新築旅館として2017年8月、「箱根・芦ノ湖 はなをり」を開業する。パレスホテルグループは箱根のホテルを2018年1月に閉館、建て替えを検討している。

国内最大手プリンスホテルグループは総額7.3億円を投じて、ホテルや旅館など3施設を改装する。目玉となるのは1938年に建設された宿泊施設「芦ノ湖畔蛸川温泉 龍宮殿」のリニューアル。今夏、日帰り温泉施設としてオープンする予定だ。

都市部の大型投資は一巡

芦ノ湖と富士山を同時に眺められる露天風呂を設け、「日帰り客を通年で10万人取り込んでいく」と、プリンスホテルで湘南・箱根・伊豆エリアのマーケティングを統括する布川史明氏は意気込む。

藤田観光やプリンスホテルは、訪日観光客の増加を追い風に、需要が見込める都市部では、旗艦ホテルの新規開業や改装を実施済みだ。不動産や建設費は高騰しており、今後、新たに開業するには莫大な費用がかかる。

前出の高林氏は、「都市部での大型投資が一巡した今、各社は集客が見込めるリゾートの再開発に取り組んでいる」と指摘する。

次ページ好立地ゆえの悩みとは
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事