キャンセルしたい宿泊予約、実は転売できる 宿泊権利売買サイト「Cansell」の潜在力

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「宿泊権利」を売買できるサービスとはいったい?(写真 : つむぎ / PIXTA)

「明日入っているホテルの予約、キャンセルできないものか」――。急な仕事や、家族の用事などで突然、ホテルや旅館の予約をキャンセルしなければならない事態に巻き込まれたことがある人は少なくないだろう。が、ホテルや旅館の多くは、宿泊当日キャンセルした場合は返金なし、前日なら宿泊費の75%をキャンセル料として徴収する、といったルールを各宿で設けており、急に予約を取り消した場合、ほとんどは泣き寝入りとなる。

こうした中、日本初の「宿泊権利」を売買できるサービスが登場し、話題となっている。近年、フリマアプリ「メルカリ」や、チケット売買サイト「チケットキャンプ」など、2次流通市場が活況を帯びているが、宿泊権利に特化したサービスとはいったいどんなモノなのだろうか。

サイトには高級ホテルがずらり

「Cansell(キャンセル)」と銘打ったサービスでは、宿泊予約を出品者が自ら価格を決めて出品できる。売買が成立すれば、販売価格から手数料15%を引いた金額が、出品者に支払われる仕組みだ。たとえば、1泊6万円のホテルをキャンセルし、50%のキャンセル料がかかる場合、宿泊者の負担額は3万円になる。一方、Cansellに5万円で出品し、売買が成立した場合、5万円から15%の手数料を差し引いた、4万2500円が支払われる。つまり、普通にキャンセルするより、1万2500円損を軽減できるというわけだ。

Cansellのサイト(写真:Cansell提供)

出品は無料で、宿泊予約がきちんとしたものかどうか審査するのに60分ほどかかる。高額転売を避けるため、元の宿泊料以上の価格は設定できない。希望者が宿泊の権利を獲得した後には、Cansell側が新たに宿泊する人に予約名を変更してくれるため、一般的なフリマアプリやオークションサイトと異なり、出品者と購買者が直接やり取りする必要はないのが特徴だ。仮に売買成立後に購買者がキャンセルした場合でも、出品者には購買時の料金が支払われる。

Cansellは今のところ、予約者の名義変更を受け付けていない一部のホテルと、現地払いのケースを除き、国内ほぼすべてのホテルや旅館に対応。実際サイトをのぞいてみると、ヒルトン東京ベイホテルや、シェラトン都ホテル東京、星のや軽井沢など、ハイクラスなホテルや旅館が目立つ。こうした宿泊費の高いホテルは、予約日の数日前から100%のキャンセル料を設定していることが多く、それだけユーザーにとってはキャンセル料が切実な問題であるからだ。

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