日本人の「おもてなし力」が世界最高の真相 「Airbnb」利用データで判明した実力

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福岡の夜景。Airbnb利用者の間で人気が急上昇している都市だ(写真:TOSHI.K / PIXTA)

2020年東京オリンピック招致のプレゼンテーションで「おもてなし」という言葉が話題になったことは記憶に新しい。しかし実際のところ、日本の「おもてなし力」は外国人客からどのように評価されているのであろうか? 日本のおもてなしの真の実力を、新しい宿泊体験を提供している米国発のネットサービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」のデータから読み解いてみよう。

まず、Airbnbが何かというと、空き部屋や空き家を貸したい家主と、そこに泊まりたい旅行者のマッチングを支援するネットサービスだ。日本では略して「エアビー」と呼ばれることが多く、利用者はお互いにネット上の取引市場(マーケットプレイス)で、空き部屋の貸し借りを行い、旅行や仕事の出張先で宿泊に利用する。bnb(ビーアンドビー)は、小規模で比較的手頃な価格で泊まれる宿の「Bed and Breakfast(ベッド・アンド・ブレックファスト)」に由来する。

実際に使うとなると、Airbnbは次のような仕組みだ。まず、「ゲスト」と呼ばれる宿泊者はAirbnbのウェブサイトかスマホアプリで自分の行きたい場所、訪問したい日時や人数、宿泊予算などを入力、自分の好みに合いそうな部屋や家を探す。

良さそうな物件が見つかったら、ゲストは「ホスト」と呼ばれる空き部屋・空き家のオーナーに宿泊リクエストを送り、ホストがゲストのリクエストを承認するとゲストはリスティング(物件)に宿泊できて、登録したクレジットカードで自動的に決済が行われる。宿泊後にホストとゲストは互いに評価しあう。

利用者が評価する物件オーナーが「スーパーホスト」

この、評価制度が今回の重要なポイントになる。Airbnbには、おもてなしや交流に関してゲストから高い評価を受けたホストをおもてなしの達人として認定する「スーパーホスト」制度がある。いったい、どういうホストがスーパーホストの認定を受けられるのかというと……。

① 宿泊受け入れ実績が最低10件ある

② ゲストの質問に素早く返答し、しかもその返答率は90%以上を維持

③ レビューの80%以上で5つ星評価を受けている

④ 確定した予約はキャンセルせず、すべて宿泊完了まで履行した

主に上記の厳しい条件をクリアする必要があるのだ。スーパーホストの審査は年4回実施して実績の推移を定期的にチェックしている。

条件を満たしたスーパーホストの比率は世界平均で全ホストの9%。そして、日本はというと、なんとスーパーホスト率が14%で、世界一の座を獲得している(今回のスーパーホスト調査は2016年10月17日~21日)。

さらに日本のスーパーホストの構成について詳しく見てみると、そこには2つの際立った特徴がある。

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