キャンセルしたい宿泊予約、実は転売できる 宿泊権利売買サイト「Cansell」の潜在力
「本格展開を目指すには、ホテル側の理解を得ることが不可欠。今後はより積極的に話し合う機会を持ち、お互いにプラスとなる協力関係を築きたい。これからも、さらなるサービスの拡充に努めることで、旅行者はもちろん、業界全体に貢献できるサービスへと成長させられたら」と山下氏は力を込める。
Cansellが今後普及すれば、旅行者にとって予約のハードルが下がり、結果的にホテル業界や旅行業界の活性化につながる可能性もある。また、2020年の東京オリンピックに向けてインバウンドが盛り上がりを見せている中、関連企業との連携などにもチャンスはありそうだ。
海外にはすでにライバルも
一方、サービスが広がるには課題もある。現時点では、出品されているホテルが少なく、購入者を引き付けるほどの磁力はない。サービスが始まったばかりで知名度が浸透していないからだろうが、宿泊権利に特化しているため、メルカリのように、より幅広い物品を取り扱うサイトに比べて普及に時間がかかるのではないだろうか。また、サイトでは購入者が宿泊したい地域を選べても、日時を指定することはできない。出品数が少ないため、日時を絞った場合、ほとんど検索結果に出てこないためと思われるが、今後はサイトの使い勝手向上も必要だろう。
海外に目を転じると、米国ではルーマー・トラベルなど複数の宿泊権利の売買サイトが存在する。こうしたサイトは、海外ホテルの予約権利も扱っており、たとえば東京のホテルを見ると、すでにCansellをはるかに超える数のホテルが掲載されている。もっとも、現地メディアによると、宿泊権利を購入したはずが、実際はできていなかった、あるいは、ホテル側で認識されていなかった、といった問題も発生している。
こうした中、Cansellのような信頼性の担保に力を入れているサイトは、ライバルに対して強みを持つといえる。今後、国内で利用者を増やしながら、海外のライバルと戦うためには、自社の強みをどれだけアピールできるかがカギになりそうだ。
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