星野リゾート、大阪新今宮ホテル進出の真意 再開発を機に「危ないエリア」も変わっていく
大阪をよく知る人にとっては驚きだっただろう。1泊10万円近い、高級旅館などを展開する星野リゾートが3月8日、大阪市浪速区のJR新今宮駅前に600~800室の大型ホテルを建設すると発表したのだ。
新今宮といえば、通天閣など新世界の最寄り駅のひとつ。あまり治安のよくないエリアとして知られている。大阪の中心街では熾烈なホテル開発競争が繰り広げられているが、大阪市が募集したこのエリアの再開発案件に応札したのは星野リゾートだけだった。
星野リゾートの真意はどこにあるのか。グループ代表の星野佳路代表が東洋経済の取材に答えた。
星野リゾート、新今宮進出の衝撃
――なぜ、大阪の新今宮に大型ホテルを作るのか。もっと良いエリアは選択肢になかったのか。
2004年にトマム(のリゾートホテル)を引き取った時は、北海道の占冠(しむかっぷ)村なんて日本で一番(経営が)難しいといわれていた。
2001年に再建を請け負ったリゾナーレ八ヶ岳も、当時の稼働率は3割台で無謀だと言われた。難しいところに行くからこそ、星野リゾートにはチャンスがある。
そもそもエリアのことは気にしていない。私が1980年代、コーネル大学にいたとき、ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなどにも危ないエリアはあった。そうしたエリアは再開発をきっかけにどんどん変わっていくことがある。
「大阪のことを知らないから、気にしていない」わけではない。私は世界の都市を30年に渡って見てきたが、イメージが良くない場所はどこにでも存在している。
確かにビジネスとしては、人の集まる魅力的なところにホテルを建てるという考えはあるだろう。だが、星野リゾートが新しく大阪で仕事をさせてもらうには、都市が抱えている課題の解決の一助になることが、とても大切だ。
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