星野リゾート、大阪新今宮ホテル進出の真意

再開発を機に「危ないエリア」も変わっていく

――星野リゾートにとって、大都市に大型のホテルを自社開発して、運営するのは初めての挑戦となる。

パートナーと組むことはなく、自社で開発を行い、2022年に開業を予定する。建設に2年、開業準備に3~4カ月かかるので、2019年までにはどんなホテルにするのか、内容を固めるつもりだ。

昔から知っている人は、この場所の価値を過小評価している。私も案件にかかわってから、このエリアを散々歩いてきたが、魅力的で面白くて、良い場所だ。

そうしたディープなエリアであるほど、観光客には魅力的だ。このホテルの計画について、もう少し詳しい内容を4月24日に大阪市で開く会見で公表する。

ビジネスホテルに泊まる観光客を狙う

――このホテルでは、都市観光客を取り込むことを前面に打ち出している。狙いは何か?

星野佳路(ほしの よしはる)/1960年生まれ。米コーネル大学大学院を経て、日本航空開発(旧JALホテルズ、現オークラ ニッコー ホテルマネジメント)に入社。1989年に帰国後、実家の星野温泉に入社するも、半年で退職。シティバンクを経て、1991年に星野温泉に戻り、社長に就任。現在はグループの代表を務める(撮影:風間仁一郎)

われわれの調査や分析によれば、国内の宿泊施設のうち、延べ宿泊数の60%弱がビジネスホテルやシティホテルを利用している。

それらの顧客の目的は、出張などビジネス目的が5~6割程度で、残りの4~5割は観光需要が占めている。

60%の半分だとすると、観光需要で都市ホテルに泊まる人が、日本の宿泊需要の30%を占める計算になる。これはわれわれが得意とする旅館やリゾートホテル市場よりも大きなマーケットだ。

ビジネスホテルのサービスや宿泊施設は、主にビジネス客用に設計されている。それが観光客にとって、安くて便利だったから利用されているだけのこと。

ただ、ビジネスと観光とでは目的が違う。旅行に行くときは、ワクワクしながら、楽しみにしていく。にもかかわらず、ビジネス向けに作られた施設では、なんとなく不満はないけれど、テンションが下がる。

そこに星野リゾートらしい形で、都市観光客用の施設、サービスを提供すればシェアをとれるはず。これが概念的な勝算だ。

――現在、ホテル業界でもっとも収益性が高いのはアパホテルや東横インなど、ビジネスホテルに特化した会社だ。

「グランドホテル」(地方の大都市にあって、宴会場や結婚式場を備え、現地でもっとも格式が高いとされるホテル)に代表されるような、都市ホテルは百貨店と同じように、業態として衰退しているのではないか。

かつて、ホテルの独壇場だった分野が、専門事業者に少しずつ切り取られている。20~30年前にはホテルで結婚式を挙げることは常識だったが、今は結婚式に特化した専門業者が台頭した。宴会もホテルでやるのがステータスだったが、街場のレストランや趣向を凝らした居酒屋など、いろんな形態がでてきた。

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