牛丼の吉野家がホームラン狙いをやめる理由 短期間で新商品を次々と投入する戦略に

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ゼンショーホールディングスが運営するすき家のメニュー改定頻度も月に1回程度と吉野家を上回る。2016年度は「鉄火丼」などマグロを使ったどんぶりを投入することでメニューのバリエーションを広げ、既存店売上高も通期で1%増と堅調だった。

ライバルに比べると、吉野家は「牛丼単品商売」のイメージを脱しきれていない。3月末から4週間、金・土曜日限定で牛丼、豚丼などを300円に値引きするキャンペーンを実施しているが、現在のところ「ほぼ計画通り」(河村社長)と客数増の起爆剤とはなっていないもようだ。

ヒット商品を出し続けられるか

3月末から4週間、金・土曜日限定で値引きするキャンペーンも、客数増に向けた起爆剤にはならないようだ(記者撮影)

今期投入していく限定商品について、河村社長は「Tポイントカード導入から1年経ち、ある程度顧客データも貯まった。これらを活用してメニュー開発をしていきたい。冬場にももう少し違う商品開発をしていかなくてはならない」と述べた。具体的な方向性は明らかにしなかったが、特定の客層に向けた商品をこまめに投入していく考えだ。

たとえば、吉野家が他社と差別化できている商品には、健康を意識した「とん汁」がある。今年1月には野菜などの具材を8割も増量し、免疫力を高めるとされる「シールド乳酸菌」を加えてリニューアルした。刷新前と比べると販売数量は1.5倍に増えたという。

このように、ターゲットや特徴を明確にしたヒット商品をコンスタントに出していけるかが、吉野家の今後を左右しそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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