吉野家、再登板した「豚丼」にのしかかる重圧 客数回復の切り札として期待されているが…
「うまい・やすい・はやい」――。牛丼で一世を風靡した吉野家ホールディングスの業績は低迷が続いている。「この時代のビジネスモデルは通用しにくくなっている」と同社の河村泰貴社長も漏らすほどだ。
吉野家ホールディングスは4月11日、2016年2月期の本決算を発表した。売上高は1857億円(前期比3.2%増)、営業利益16億円(同54.1%減)と増収ながら大幅減益となった。
セグメント別に見ると、はなまるうどん、京樽は増収増益だったが、吉野家、「ステーキどん」を運営するアークミールの2セグメントが足を引っ張った形だ。
「牛丼」値上げの後遺症
減益要因は2つある。1つめは2015年10月に発売した好採算商品「牛すき鍋膳」の販売不振だ。暖冬が予想されたことから前年より発売時期を早めたものの、想定した客数には届かなかった。
2つめは、期末の円高を受け、低価法適用に伴い、牛肉の在庫評価損を5億円強計上したことだ。
主力事業の吉野家は2014年12月、食材価格の高騰を理由に牛丼価格を300円から380円に値上げした。その後の既存店売上高は来客数の減少が続き、回復が遅れている。
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