吉野家は「利益6割減」から巻き返せるのか 牛肉関連が大打撃、注目ポイントは2つ

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5月に投入した「ベジ丼」も、客数減のトレンドを食い止めるまでには至っていない(撮影:梅谷秀司)

まさに、牛肉に振り回された決算だった――。牛丼チェーン「吉野家」を展開する吉野家ホールディングス(HD)は7月9日、2015年度の第1四半期(3~5月期)の決算を発表した。売上高は458億円と前年同期比で3.4%増となった一方、本業の儲けを示す営業利益は同58.9%減の3.6億円という着地だった。

増収となった要因の1つが、傘下のうどんチェーン「はなまる」が好調に推移したことだ。前期に出した店舗分の上乗せがあったほか、油分をカットしたヘルシー天ぷらのキャンペーンが奏功した。持ち帰りずしや回転ずしを運営する京樽も、「本まぐろ祭り」と銘打った販売促進策が効き、前年同期比で増収となった。

だが一方で、営業利益は6割近いマイナスに落ち込んだ。大きく足を引っ張ったのが、吉野家や「ステーキのどん」といった牛肉関連事業だ。

客数減と食材高のダブルパンチ

吉野家は昨年12月、牛肉価格の高騰を理由に値上げに踏み切った。河村泰貴社長は値上げ発表直後、東洋経済のインタビューに対し、「価格改定をした場合、最初の3カ月の影響が大きく、その後は緩やかになる」と話していた。

だが、値上げしてから3カ月が経過した後も、客数減のトレンドは変わっていない。新年度に入った2015年3~5月の既存店客数は、前年同月比で2ケタ減の状況が続いている。その結果、国内吉野家の部門売上高は228億円と、前年同期比で1.8%のマイナスとなった。

ただ、それ以上にインパクトが大きかったのが、主要食材である牛肉価格の高騰だ。牛丼に使用される米国産ショートプレート(牛バラ肉)の価格は、円安の進行や米国での干ばつ影響で、昨年9月に1キログラム当たり1000円を突破。わずか1年で2倍にハネ上がった。

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