知っておこう!「独学」で進むための思考法 自らを「主人公」にして勉強する真の価値
鬼頭:柳川先生のいう独学は、一般的な意味の独学とは少し違いますよね。一般的には独学は手段の話になるかと思います。予備校に行くのか、オンラインを利用するのか、独学するのか、みたいな使われ方ですよね。先生のいう独学は、むしろ「思考様式」や「行動様式」に近いのでは。
1人のほうが「考える力」がつく
柳川:私が伝えたいのは、自分を主人公にして勉強するスタイルです。私はどちらかというと、1人で何かに向き合ったほうが考える力はつくのではないかと考えています。もちろん誰かと議論することも大切ですが、何か物事を深く考えるときは最終的には1人になるのではと。1人で考えて思いをめぐらすプロセスは、1人でないと身につかないと感じています。
鬼頭:それは私も経験があります。事業をやっているので、ビジネスモデルや今後の戦略のアイデアを考える際には、親しい人と話してアイデアを出し合ったりします。ですが、その考えを熟成させて落ち着いて考えるときは、やはり1人になりますね。理解を深めていくプロセスでは1人で考えます。ところで、将来的に教育や勉強そのもののあり方は変わっていくのでしょうか。
柳川:人工知能が発達していくことにより、丸暗記の必要性は下がってきますので、これからの世の中では丸暗記の勉強ではなく、頭の使い方や勉強の仕方などが、ますます重要になってくるでしょう。
試験勉強でも得た知識を応用して「そこから何を考えられますか?」と聞くようなスタイルになると思います。実際に大学入試はそうした方向に向かっていますし、資格試験などでもウェートが置かれるようになっていくのだと考えています。
鬼頭:自分の中で勉強の「PDCA」〈Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善または調整)〉を回して、独学力を磨いていけば社会に出たあとも役立ちそうですね。同じ合格者であっても、丸暗記で合格した人と、知識を応用する「使い方」を身につけて合格した人では実務においても差が出る。これは、私自身、実感していることでもあります。
「2割の努力で8割の成果」を上げてきた鬼頭政人・資格スクエア代表が勉強法を説き明かしていくこの連載。著者への勉強相談はこちらのフォームから!
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