「思春期女子」の揺れやすい心は注意が必要だ うつや自殺の兆候を見逃すな

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モジタバイに言わせれば、うつ病増加というトレンドを裏付けるにはさらなる情報が必要であり、それ以上に必要なのはティーンエージャーの生活に関する情報だ。だがその一方で、親がうつ病の危険な兆候についてきちんと知っておくことも重要だ。それは心の病を抱える子どものためだけでなく、診断を受けるに至っていない子どものためでもある。

「精神医学的な問題を抱えているのに、親に気づいてもらえず、その結果として治療を受けられない子どもや若者は大勢いる」と彼は言う。

簡単に見分けはつかない

ティーンエージャーのうつ病の兆候には、悲しい気持ちや怒りっぽさが続くといった気分の変化や、学業不振のような機能水準の変化、食や睡眠の習慣の変化といったものが挙げられる。友人や家族と交わろうとしなくなったり、以前は大事に思っていた活動への関心を失うこともある。また、エネルギーの減退や集中力の低下、原因不明の痛みといった、うつ病特有ではない症状も兆候に含まれる。

思春期の子をもつ親なら、「普通の」思春期特有の気分の揺れやティーンエージャーらしい行動と、懸念すべき兆候の違いは何だろうと思うはずだ。そこで考えるべきは、症状はどれほど深刻に思えるか、どれくらい続いているのかという点だ。本当に子どもに変化が生じたように思えるなら、思春期のせいだと片づけるわけにはいかない。

シェインは、懸念すべき兆候にはうつ病に特有とは言いがたいものも多いと指摘する。思春期の子どもが部屋に引きこもったり、急に成績が落ちたりする理由はたくさんある。

「それはうつかもしれないし、薬物かもしれないし、単に宿題が大変すぎるだけかもしれない」と彼は言う。「まずは子どもと一緒に腰を下ろして話をすることだ。どうしたの? と。次は学校の先生に話をしてもいいし、子どもをカウンセラーや精神科医のもとに連れて行ってもいい」

うつ病の有病率の上昇を薬物乱用の問題で説明することはできないが、その一方で青少年では薬物乱用とうつ病が同時に起きやすいことは念頭に置いておくべきだ。うつを訴える患者は薬物やアルコールに走りやすい。

うつ病を診断するだけではもちろん、問題は解決しない。また、診断されれば早く回復できるというものでもない。たとえ思いやりがあり支えてくれる家族がいてもだ。シェインの手がけたAAPの臨床報告書にはこう書かれている。「自殺のリスクは減らすことはできてもなくすことはできない。(ここに挙げられた)リスク因子はあくまでも参考に過ぎない」。

ティーンエージャーとその親たちにとっては長く困難な旅路かもしれない。だがこれが意味するところは、親そして小児科医は適切な問いを発し続けなければならないということだ。

(執筆:Perri Klass医師、翻訳:村井裕美)

(c) 2017 New York Times News Service

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