あなたを殺してしまうキラーストレスの恐怖 そのストレスから心と体をどう守るか?
キラーストレスという言葉は造語であり、学術的に特別なストレスが存在するわけではない。しかし、近年の目覚しい科学の発展によって、いくつものストレス要因が重なると、ただのストレスでも命に関わるような病気の原因になる事が明らかになってきた。本書『キラーストレス―心と体をどう守るか』は最新のストレス研究を扱ったNHKのテレビ番組『NHKスペシャルシリーズ「キラーストレス」』の書籍化である。
ストレスとは何か
テレビシリーズの番組公式サイトには「ライフイベント・ストレスチェック」と呼ばれるものがある。いま私やあなたが、どんなストレスをどれほど溜め込んでいるかがわかる仕組みになっている。このチェックリストは本書にも記載されているが、自動採点が可能なネットのほうが手間が少なくて済むのでオススメだ。
得点が250点を超えると、注意が必要なレベルであり、300点を超えると様々な病気を引き起こす可能性がある危険な段階だという。ちなみに私の得点は700点以上であった。自覚してはいたが、いつ病に倒れてもおかしくないほどのストレスが溜まっているようだ。実はこのストレスチェックには結婚や妊娠、出産などや昇進や昇給等の一般的にはプラス要因とされる事もストレスとしてカウントされる仕組みになっている。ストレスとは何かといえば環境の変化に他ならない。もしあなたが最近、仕事やプライベートで何かしらの変化を経験しているのであれば、是非とも本書を手に取るべきだ。
そもそも、ストレスとはなにか。実はストレス自体は動物が生きていく上で欠かすこの出来ない大切なメカニズムなのだ。もしサバンナであなたがライオンに遭遇した場合、とっさに「闘争、逃走」本能が働く。心拍数が急激に上がり血圧も上昇する。肝臓からは糖が放出され、瞬時にエネルギーが供給される。この状態が「ストレス反応」だ。敵と闘うか、それとも逃げるか、どちらを選ぶにしてもストレス反応が起きなければ私たちの身体は最大のパフォーマンスを発揮できないのである。
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