23歳国際線CAを壊した絶対的「睡眠不足」

「一年中時差ボケ」がメンタルヘルスを蝕む

今も昔も変わらぬ憧れの職業、CA(客室乗務員)。しかし、メンタルヘルスの不調に悩む人も多いようです(写真:kasto/PIXTA)
「うつ病」――。現代人にとって身近なこの病気ですが、患者数が増えてきたのは、21世紀に入ってからだということを知っていますか?
獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授の井原裕氏は、その背景に日本社会特有の"不眠不休信仰”などからくる「絶対的な睡眠不足」があるといいます。実際に診療科を訪れるビジネスパーソンたちの実情を通して、彼らが苦しむ、うつ病の「傾向と対策」をお届けします。

 

花形職業として人気が高いCA(客室乗務員)ですが、実はメンタルヘルスを害する危険性がとても高いことをご存じですか。その原因のひとつに、慢性的な時差ボケによる体調管理の難しさがあります。

青山由実さん(仮名・23歳女性)は、ヨーロッパに拠点を持つP国の航空会社のCA。幼少期に長く海外で生活していたため、英語、スペイン語、日本語のマルチリンガル。現在は、P国を拠点としていますが、東京へのフライトの際には都内の祖父母宅に泊まるため、その際に私の外来を受診しています。

23歳CAを襲った「過呼吸発作」

彼女が悩まされている症状とは、パニック発作、動悸、頻脈、過呼吸、そして突然の号泣などです。受診するようになったきっかけは、お客様対応の拙劣さに対して、上司から厳しい叱責を受けたことでした。初診時は、狭い飛行機の中の人間関係やお客様対応の難しさ、しばしば過呼吸発作に襲われることなどを語りました。

私は、職務に関わる問題の細部には立ち入らないことにし、健康管理の専門家として若干の助言をすることにしました。青山さんの場合、国際線CAという仕事ゆえヨーロッパ各国だけではなく世界中を飛び回り、長時間のフライトになることも珍しくありません。

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