栃木「いちご王国」のルーツを知っていますか 「いちごの里」の色褪せない情熱

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栃木県足利市のいちご栽培を取材(取材月:January 2017)

日本はいちご生果の消費量で世界一といわれ、品種改良や栽培技術でもトップレベルを誇る。現在の主流品種の一つ「とちおとめ」を生んだ栃木県は、いちごの収穫量日本一の座を、1968年以来48年間も維持し続けている「いちご王国」。日本が誇るいちご栽培を取材しに、「とちぎのいちご」発祥の地・足利市に向かった。

先端技術と地域の工夫によって育まれる高品質ないちご

当記事は「SHUN GATE(運営:凸版印刷)」からの転載記事です

冬の日照時間の長さや寒暖差の大きい気候がいちごの栽培に適している栃木県。県の南西部に位置する足利市は、北に足尾山地を背負い、中央には渡良瀬川が流れる自然豊かなまちだ。

ここ足利市で、戦後間もない頃、温暖な静岡などが適地とされていたいちごを、栃木にも根付かせようという取り組みがおこなわれた。一農家あたりの農地規模が小さく経営が不安定なこの地に有望な作物を探し求め、たどり着いたのがいちごだったという。しかし、本来いちご栽培は温暖な気候の静岡などが適地とされており、当初は露地栽培だったため寒冷対策に苦労した。そうした状況のなか、1960年頃になるとビニールハウスでの栽培が普及、栃木県各地から足利市に栽培指導を求める人が集まってきたのだそうだ。

また行政も、品種改良でいちご栽培を後押しした。1985年に、収穫時期が早く育てやすい「女峰」を発表、さらに1996年には粒が大きく甘みの増した「とちおとめ」が開発され、「東のとちおとめ(栃木県)、西の「あまおう(福岡県)」といわれるほど、日本の主流品種として普及したのだ。

足利市のいちご生産者で、JA足利いちご部会の部会長を務める菊地俊一さんは、先端の栽培技術を導入した「とちおとめ」のハウス栽培をおこなっている。

面積1500㎡ほどもある大型ハウスのなかで、いちごの苗は地上から1mほどの高さにあるベンチの上にずらりと植えられている。

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