【完全保存版】東電株主総会、全議事録(1) 3時間41分にわたるやりとりを、すべて公開
こうした状況下において当社は、競争環境のもとで市場原理に基づいて資金調達、投資決定を自律的に行うダイナミックな民間企業に早期に復帰し、技術、人材といった経営基盤を保持してまいりたいと考えております。このため巨額の財務リスクについて、国による新たな支援の枠組みの検討を引き続き要請してまいりますが、その一方で企業改革を徹底的に進め、必ずや事故の責任をまっとうし、世界最高水準の安全の確保と競争のもとでの電力の安定供給をやり抜いてまいります。
具体的な施策につきましては、報告書の6ページから9ページの内容を記載の順にご報告させていただきます。
まず福島復興を原点とする取り組みでございます。当社は事故の責任をまっとうするため、福島復興本社を中心に国や自治体と連携しながら、親身、親切な賠償を徹底し進化させるとともに、除染・復興推進等に対して、グループ一丸となって取り組んでまいります。具体的には、本年3月に開始した、宅地や建物、家財にかかる賠償を迅速に進めるとともに、被害者の方々の個別事情を踏まえた、きめ細やかな対応を実施してまいりたいと思っております。また除染関連業務に関わる要員を、本年内に300名規模に増やすとともに、地域の経済復興や雇用回復、雇用創出につながる取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、原子力安全への対策の取り組みでございます。
当社は引き続き中長期ロードマップに沿って、福島第一原子力発電所の1号機から4号機の廃止措置作業を確実に実施してまいります。なお、本年3月以降に発生した停電事故や地下貯水槽からの汚染水の漏洩により、福島の皆様をはじめ、広く社会の皆様、株主の皆様に多大なご心配・ご迷惑をおかけいたしましたことを、この場を借りまして深くお詫び申し上げたいと思います。
一層、安定化・維持のために設備の運営管理の信頼性向上対策を徹底し、社会の皆様にご安心いただけるよう努めてまいる所存でございます。特に日々発生する汚染水につきましては、貯水タンクの増設計画の前倒しや、多核種除去設備の活用によりまして、汚染レベルの低減等を実施いたしてまいります。
柏崎刈羽原子力発電所につきましては、今後の運転再開に向け、設備の適切な維持管理に加えて、建屋への浸水防止工事など一層の安全性向上の向けた対策を確実に実施してまいります。また、こうした取り組みについて、地域の皆様をはじめ、広く社会の皆様に、丁寧にご説明し、ご理解をいただけるよう努めてまいる所存でございます。
さらに本年3月に策定いたしました、原子力改革、原子力改革安全プランに基づき設備面および運用面における、さまざまな安全性対策向上を迅速に強化するとともに、マネジメント面での強化にも取り組んでまいります。なお、原子力安全に関する取締役会としてのリスク管理を強化するため、本年5月に設置いたしました、原子力安全監視室の室長にイギリス原子力公社で安全・保証担当役員を長く勤めてこられた、ジョン・クロフツ氏を選任いたしております。
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