松下幸之助「2代目はとにかく謙虚であれ」

経営の神様が語ったこと

後継者は権威の活用ということをせんといかん(写真:東洋経済写真部)
江口克彦氏の『経営秘伝――ある経営者から聞いた言葉』。松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助の語り口そのままに軽妙な大阪弁で経営の奥義について語った著書で、1992年の刊行後、20万部を売り上げるヒットになった。本連載は、この『経営秘伝』に加筆をしたもの。「経営の神様」が問わず語りに語るキーワードは、多くのビジネスパーソンにとって参考になるに違いない。

 

もうそろそろ夕方になってきたな。植木屋さんたちは、まだ仕事をしとるな。いつごろ終(しま)いにするんやろうか。うん? あと1時間はする? そうか。えらい熱心やね。

しかし、やっぱり、植木の手入れをしてもらうと、ずいぶんと景色が変わるな。お茶のおかわり、頼んでくれや。ほんま、きょうは、こんなにゆっくりするのは、仕事をしだしてから、はじめてやな。覚えがないな。

2代目は創業者や先輩諸氏に意見を求めるべき

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2代目の後継者ね。後継者がどんなことを心掛け、考えんといかんということね。それはひとつはな、なんというても謙虚であらねばならんということや。

そのためには衆知を集めるというか、創業者や先輩諸氏に意見を求めるというか、そういうことをせんといかんわね。

というのはね、創業者というのは、いわば、無から有を創り出したわけや。なんもなかったところに、ひとつのお店なり会社を創ったわけやから、自分が創ったという意識が強い。当たり前のことやな。

それだけではない。創業者に対しての、周囲の人たちの気持ちというものも相当尊敬というか、敬意を払うというか、そういう思いが強いわけや。また創業者と一緒に努力してきた人たちも創業者を中心にして自分たちもお店を、会社を創ってきたという、強い意識がある。

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