料理は売るだけではなく、体力回復の基本ともなる。他に追加効果も……そうだ、体力回復といえば重要なことを忘れていた。これまでのゼルダとまったく違うこと。それは神々のトライフォース以降、ゼルダの最重要アイテムであった「ビン」がないことだ。これにはすごく驚いた。
神々のトライフォース以来、回復の薬を入れたり妖精を入れたり虫を入れたりと、大活躍だったビンがないのだ。取得した時に、中身のロンロン牛乳なんてどうでもいいくらいに嬉しいビンがないのだ。ブレス オブ ザ ワイルドでは回復の料理も妖精も、特に制限なく持てる。
考えてみれば、どこまでも移動できるオープンワールドのシステムと、ビンのように回復回数を制限するアイテムの相性はすこぶる悪い。ブレス オブ ザ ワイルドでは道すがら鳥や獣を狩り、キノコや果実を採取して料理をすることで回復アイテムを作ることができる。料理には火にかけられた料理鍋が必要だが、これは町や馬宿はもちろん、敵の集まっている場所などにもたくさん設置されている。火がついていなければ、火打ち石や炎の矢、たいまつなどを用いて火をつけて使う。
もちろん、ファストトラベルの機能があるので、自分なりのベースキャンプを決めて、そこで事前に大量にアイテムなどを準備してから冒険をすることも可能だが、ゲーム性としては手元にあるものを使って回復アイテムをその場しのぎで作るのが似合っている。
大きく変わった世界とダンジョンの関係
ここまで、細々としたシステム面の変化を論じたが、最も大きく変わったのが、世界とダンジョンの関係だ。
ゼルダの伝説シリーズは基本的には「ダンジョンに向かい、ダンジョンを攻略していくゲーム」だ。それはシリーズが進むごとに顕著になり、世界は基本的には通り道であった。
今回は、祠を中心としたダンジョンは、小さなパズル空間となった。祠でちょっとした謎を解いて、ファストトラベル先と、ハートやがんばりゲージを増やすためのアイテムを取得しながら、フィールドという大きなダンジョンを突き進む感じになっている。これが実にスッキリ解けて、つい、1つ祠を攻略すると、また次の祠を探したくなる魅力に満ちている。メインクエストでもある神獣の中は、祠よりもやりごたえのあるダンジョンではあるが、それでも過去のゼルダシリーズのダンジョンほど複雑ではない。ここでもやはり「世界が主」なのである。
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