プレステVRは圧倒的な可能性を秘めている 問題点は「量産に苦戦していること」くらい
今年、デジタルエンターテインメントの世界でもっとも大きな話題になったキーワードと言えば「ポケモンGO」だろう。ただし、ネットを中心に記事を書いていると、ソニーの「プレイステーションVR(PSVR)」がポケモンGOに負けず劣らず強い関心を集めていることを実感する。
実感というだけではない。PSVRをはじめとするVRプラットフォームに多くの企業が投資を進めている。この投資は、これから大きな市場を生み出し、投資をしている各社の事業領域を広げる可能性を秘めている。
いや、事業の将来性、利益貢献の可能性という点で言えば、単なるヒット商品という枠を越えて新たな事業プラットフォームとして定着するはずだ。つまり、ゲーム事業以外への技術・ノウハウの展開が期待できるだろう。一時的な品切れやゲームファンの羨望と称賛も、PSVRの可能性を示すバロメーターではあるが、むしろ表面からは見えないところにこそ大きな可能性がある。
ソニーは長期にわたってVRを開発
以前にPSVRを紹介した時にも触れたが、ソニー・インタラクティブ・エンターテインメント(SIE)は、FacebookがOculus Riftを巨額買収し仮想現実ディスプレイというジャンルが注目される以前から開発されてきたものだ。
SIEはPSVRを立ち上げるにあたり、技術的課題をクリアするだけでなく、「より良いVR体験」をはじめてVRディスプレイを使う大多数の消費者に原体験してもらうことに重点を置いて、慎重にプロジェクトを進めてきた。
ここでは詳細に触れないが、PSVRは装着感とともに視野に入る映像がより自然に感じられるよう、光学系の設計にさまざまな工夫がなされている。そこでは特許も多数取得しているという。VRディスプレイを何種類も試していれば、光学設計によって"見え味"とでもいうべき点が大きく違うことや、数年前と現在では技術的に熟成がかなり進んでいることを実感できる。
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