日本はマーケティングでも後れをとっている

発想力の大胆な更新が不可欠

コミュニケーションは変わるし、ものづくり自体も消費者行動のとらえ方も違ってくる時代だ(写真:adam121 / PIXTA)
今やマーケティングは時々刻々と進化している。『マーケティングに強くなる』を書いた早稲田大学商学学術院の恩蔵直人教授は「差別化が難しい市場で競争に勝つためには、発想力を大胆に更新することが不可欠だ」と力説する。

 

──マーケティングの分野でも、日本企業は世界に後れを取っているのですか。

残念ながら間違いない。発想力を武器にすることだ。組織の競争力を引き上げていこうとする意識の共有の下で、新しいマーケティング発想法を学び、大いにセンスを磨くことが大事だ。

日本企業には本来のデザインの発想がない

──「デザイン」がマーケティングの新しい中核なのですね。

日本企業には、本来のデザインの発想があまりになさすぎる。見掛けの美しさ、審美性だけがデザインではない。最新の研究では、基盤的な要素である安全性や機能性、操作性、さらには社会性、耐久性に加えて、審美性、継続性などの選択的なものもひっくるめてデザインには11の要素があるとみられている。とかくそういう発想がないので、ただ上っ面をきれいにすれば「デザインがよくなったね」などと思ってしまう。だからうまくいかない。

海外の有力企業は米アップル、米グーグル、蘭フィリップスをはじめ最高デザイン責任者(CDO)を置いている。デザインとクリエーティブはほとんど同じ意味で使われ、ほぼ同じ役割で最高クリエーティブ責任者(CCO)を任命しているところもある。日本企業には最高マーケティング責任者(CMO)にしてもほとんどいない。重要性がわかっていない証拠だ。

──マーケティングの進化は止めどがない?

3年ぐらい最先端の研究から外れると、もうほとんど使いものにならなくなるほどだ。

ビジネスとマーケティングは密接だから、マーケティングという視点で世の中を見るとビジネス界がどんなふうに変わってきたか、手に取るようにわかる。この本で、その大きな流れの中で自分たちの立ち位置を重ね合わせながら感じてもらえるといいのだが。

次ページオールドメディアとおさらばすることになる
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 買わない生活
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT