日本はマーケティングでも後れをとっている 発想力の大胆な更新が不可欠

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──ホワイトスペース戦略という考え方もオリジナル?

『ホワイトスペース戦略』と題された本そのものがある。ただ、不完全な部分があり、アナザースペースを加えた成長マトリックスに加筆修正した。事例をはめ込んでいくとストーリーになっていく。ビジネスモデルを踏まえて、企業の成長の方向性つまりベクトルをマーケティングの視点で見直す。こうすると、たとえばアップルの成功の理由がよりわかりやすいし、なるほど感がある。

メインストリームではなくても面白い

──趣味的な研究もされているようですね。

『マーケティングに強くなる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

たとえばパッケージ。パッケージはマーケティングの中の市場志向や製品開発といったメインストリームではなく、ちょっと迫力がないが、でも面白い。このほか五感も関心事だ。特に香りの研究。香りは人の記憶と直結する。フレグランスマーケティングという用語さえある。

──ブランド戦略もよくいわれます。

私にとっては2000年前後に解決済みのテーマになった。

──行動経済学との関係は。

マーケティングはどちらかといえば戦略系。もう一つの視点に消費者行動理論がある。まったく違う柱で構成され、消費者行動理論は行動経済学に近く、その理論を援用して実験したり分析したりする。そちらはまた別の意味で面白い。このほか、時間的な距離、物理的な距離、あるいは社会的な距離によって消費者の評価がどう変わるかという解釈レベル理論の研究もこの5年ぐらい手掛けていて、いずれも面白い。

──大学の理事を兼任されています。

入学試験と広報の両方を担当している。入試は大学の今後の明暗を分ける。「素材」がよくないと育てられない。ポテンシャルの高い人たちに入ってほしい。そのために、まさにマーケティング戦略が必要だ。そのときにどの地域から来てもらうか。早稲田は来年から地方創生型入試を始める。それぞれの学生が出身の地域や郷土に将来どういう形で貢献したいと思っているか。思いの強い人に入学してほしいと考えている。

塚田 紀史 東洋経済 記者

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つかだ のりふみ / Norifumi Tsukada

電気機器、金属製品などの業界を担当

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