Webマーケティングの舞台で起きている茶番 クライアントがわかっていないのも残念だ
電通が女性新入社員の過労自殺問題に揺れています。10月14日に東京労働局が労働基準法違反の疑いで東京の本社に立ち入り調査に入ったのに続き、各地の労働局も複数の主要子会社を立ち入り調査したことが18日に明らかとなりました。
日本のウェブマーケティング業界は問題だらけ!?
一方、電通といえばほんの1カ月前の9月23日にインターネット広告にかかわる不適切な取引が明らかになっていました。広告の掲載期間がずれていたり、広告が掲載されていなかったりという不適切な疑いのあった案件が633件、111社分にも上った問題です。
過労自殺問題の波紋が大きすぎて、このことが記憶に残っている人は少ないかもしれませんが、電通のもうひとつの問題はウェブマーケティングが抱える課題を問い直すための契機のひとつであり、風化させてはいけません。拙著『ウェブマーケティングという茶番』でも詳しく触れているように、これまで10年以上にわたって、500社以上のウェブマーケティングにかかわってきた私から見ると、電通の一件に限らず、日本のウェブマーケティング業界は問題だらけです。
現在、ウェブを活用した広告宣伝費は年間1兆1594億円に上り、新聞、雑誌、ラジオの広告費を合計した額をも上回っています(2015年、電通調べ)。
ウェブマーケティングは、テレビCMや新聞広告などの媒体と異なり、数十万円の費用から利用できるサービスもあるので導入が比較的容易です。また動画をアップしたり、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を介して顧客と双方向のコミュニケーションを図ったりなど、活用の幅も広がり続けています。近年は、膨大なデータに基づいた精度の高いマーケティングが可能になるなど利点は枚挙に暇がありません。
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