霊長類が危ない!何と6割が絶滅の危機に 自然破壊や狩猟、採鉱が原因
動物たちが絶滅してしまえば、ヒトについて理解する機会も失われる。展望は厳しいが、霊長類を救うためにできる具体的な方法があるとライランズは言う。「霊長類の狩猟をやめ、彼らに生息する場所を与えることだ」。
絶滅を食い止めた成功例も
とはいえ、口で言うほど簡単ではないことはライランズもわかっている。動物たちが生息する場所に暮らす人々は家族を養うのにも苦労していることが少なくないからだ。
タンパク源の代替として魚の養殖場をつくったり、農業の代わりに手つかずの森を観光化することで長期的に収入を増やしたりすることが効果的なケースもあるかもしれない。
ライランズは絶滅の危機から救われた霊長類の例として、ゴールデンライオンタマリンを挙げた。かつてブラジルの大西洋沿岸の森林に多数生息していたが、サトウキビ農園などの開発が進んだことで、生息する森林が壊滅状態になり、ほぼ絶滅してしまった。
1983年に米国立動物園率いる国際チームは、ゴールデンライオンタマリンを救う取り組みを開始。飼育下で繁殖し、森林を保全し、狩猟を禁じた。結果、ゴールデンライオンタマリンは今日、個体数は少ないものの3500頭ほどが野生で生息している。
「絶滅の危機から救うことができるケースもある」とライランズは言う。「しかし、莫大な規模の熱帯雨林の破壊がそれを極めて困難にしている」。
(執筆:Carl Zimmer記者、翻訳:中丸碧)
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