ただし、「好きなこと」「得意なこと」だけでは、まだまだ二流のキャリアを歩んでしまうおそれがある。3番目に大切なのは、その仕事に「市場性があること」をわかっているかどうかだ。
【一流の就活3】「市場性がある仕事」をわかっている
たとえば金融業界にいると痛感するが、ものの数年前にあった「セールス・トレーダー」などの仕事は、自動化の波に置き換えられ、大量の失業者を生み出している。
実際、元フロントオフィス(収益部門)で働いていたスター選手たちが、ミドルオフィス(中間部門)の非効率さに目をつけてAIプログラムをつくり、金融機関相手にデジタル化のサービスを提供しはじめているくらいだ。
昔あった多くの仕事の市場性が急速に失われており、この自動化の波は私のようにシンガポールにいれば、社会のあらゆるところで実感するものである。
キャリアで自己実現を図るには、「将来的な市場性の有無」を考えなければならない。「好きなこと×得意なこと×市場性があること」の3要件をよくよく考えて、一流の就職活動をしなければならないのだ。
実は「究極の二流の就活生」だった私
これまで、実に5000字以上を費やして、就活生を一流・二流に区分するなどという、大きな非礼をおかしてきた私。
しかし、実のところを白状すると、ここで書いてきた二流の就活生とは、大学時代の私の人格的欠陥、人間的故障のすべてを書きつづったものにほかならない。
私も、まわりの学生や先輩がうらやましがりそうな外資系の大企業ばかり受けていた。送り付けたエントリーシートは、ほかの企業に送ったものの、まさに「金太郎飴的」焼き直しであった。面接でも「真の自分」とは程遠い「作られた面接用の回答」を用意しては、撃沈を繰り返していたものである。
面接で会社側にした質問は100発100中で的外れで、就活中に恋に落ちてその子に夢中になり、就職活動がひときわ長引いたのも、私のまさに二流たる証だろう。
挙句の果てに、最後はその子に着信拒否を食らって音信不通になってしまったのだから、今ならストーカー規制法の対象にもなりかねないような、恥ずかしすぎる二流のこの私。
しかし、自分自身がこの二流の奈落の底で痛みを実感してきたからこそ、世の多くの迷える子羊のみなさんの気持ちが、誰よりもよくわかるのだ。
決して私のような二流の就活生に陥ることなく、「好きなこと×得意なこと×市場性があること」を仕事にし、自分にとっての天職が見つかることを強く願う次第である。
「就活のしくじり先生」ではないが、私のようになってはいけない。さもないと、「二流の就活」を終えた15年後、二流の”グローバルエリート“として、コメント欄の炎上地獄をさまよう羽目に成り下がるのだから。
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