日本人を縛る「男が家計を支える」という幻想

100年人生を生き抜く「一時的ヒモ化」戦略

「男だから稼がねば」という発想から男女ともに自由にならないと、「100年人生」時代は乗り切れないかもしれません(写真:ふじよ / PIXTA)
これから、日本人のキャリア形成はどう変化していくのか。ベストセラー『ライフ・シフト』で紹介され、いま注目を集めている「無形資産の蓄積」を、どう進めていくべきなのか。「採用学」という新しい学問を立ち上げ、日本人の働き方や企業のあり方を分析している服部泰宏横浜国立大学大学院准教授に、キャリア形成の新しいシナリオについて解説してもらった。

未来への「時間展望」が変わる

『ライフ・シフト』は11万部のベストセラーとなっている(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

私たちはどのくらい先を見据えて生きているか。これを心理学の世界では「時間展望」といいます。今日が楽しければいいという人は、酒を飲んで遊んで毎日が終わる。しかし多くの人は明日の会議のために事前に資料の準備をするし、あるいは何十年も先を見据えて貯蓄に励む。要するに私たちは、基本的に未来への時間展望があるから、何かを我慢したり努力を重ねたりするわけです。

『ライフ・シフト』は、この「時間展望」がこの先変わっていくだろうことを示唆しています。人生80年ではなく、100年の時代。すると65歳で定年ではなく、80歳まで働く必要がある。こう突き付けられると、今まで前提としてきた時間軸ではなくなるのですから、まったく違う世界が見えてきますよね。本書はそうした心理学を背景に、ビジネスの分野に真正面から切り込んでいった印象を受けました。

次ページ100年ライフでは、仕組みも変わらざるをえない
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT