「未来の家族」を話し合う場があまりに少ない

価値観が激突する「生殖医療と家族」を考える

家族の形やあり方を変えうる技術をわれわれはどう考えていけばいいのでしょうか
東京・お台場にある日本科学未来館。企画展「The NINJA -忍者ってナンジャ!?-」(2016)、「トイレ? 行っトイレ!~ボクらのうんちと地球のみらい」(2014)等々、個性的な企画展示でここ数年、話題を呼んでいます。
現在、企画のひとつとして行われているのが、「みらいのかぞくプロジェクト」。今年度は特に「ヒト受精卵に対するゲノム編集」「近未来の出生前検査」「第三者が介入する生殖補助医療と制度」という3つのテーマを取り上げています。
背景にあるのは、家族の形やあり方を変えうるこれらの技術を、今後われわれはどう考えていくべきか?という視点。
このプロジェクトを担当する、詫摩雅子さん(日本科学未来館・プログラム企画開発課・科学コミュニケーション専門主任)と、長谷川潤さん(同・プログラム開発1担当・マネジャー)のお2人に話を伺いました。

家族にはさまざまな形や、価値観がある

――“科学館”である日本科学未来館で“家族”についてのプロジェクトを行うというのは、意外に感じる人もいると思います。なぜ、このような企画を立ち上げたのでしょうか?

詫摩雅子(以下、詫摩):家族って、なんとなく“当たり前”のものになっていますよね。“家族”と言ったときにイメージするものも、私たちが子どもだった頃と、そんなに変わっていない。

でも、実態はかなり多様化しています。30年ほど前と比べると、シングルマザーのおうちも、お父さんやお母さんのどちらか一方が外国人であるおうちも珍しくなくなっている。飼っている犬や猫、さらにはロボットを家族と思っている方もいます。

一方で、生殖補助医療というものも浸透してきました。精子提供などで、ご両親のどちらかと遺伝子的なつながりがないお子さんが生まれるなど、昔ながらのイメージとは違う家族も増えています。

こうしたことに正しい・正しくないというのは、ないと思うんです。私たちは科学の視点を通して、そういった多様な価値観の方がお互いに話し合い、相手の意見を知り、落としどころを探す、そういう場をつくりたいなと考えています。

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