「未来の家族」を話し合う場があまりに少ない 価値観が激突する「生殖医療と家族」を考える
家族にはさまざまな形や、価値観がある
――“科学館”である日本科学未来館で“家族”についてのプロジェクトを行うというのは、意外に感じる人もいると思います。なぜ、このような企画を立ち上げたのでしょうか?
詫摩雅子(以下、詫摩):家族って、なんとなく“当たり前”のものになっていますよね。“家族”と言ったときにイメージするものも、私たちが子どもだった頃と、そんなに変わっていない。
でも、実態はかなり多様化しています。30年ほど前と比べると、シングルマザーのおうちも、お父さんやお母さんのどちらか一方が外国人であるおうちも珍しくなくなっている。飼っている犬や猫、さらにはロボットを家族と思っている方もいます。
一方で、生殖補助医療というものも浸透してきました。精子提供などで、ご両親のどちらかと遺伝子的なつながりがないお子さんが生まれるなど、昔ながらのイメージとは違う家族も増えています。
こうしたことに正しい・正しくないというのは、ないと思うんです。私たちは科学の視点を通して、そういった多様な価値観の方がお互いに話し合い、相手の意見を知り、落としどころを探す、そういう場をつくりたいなと考えています。
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