「未来の家族」を話し合う場があまりに少ない

価値観が激突する「生殖医療と家族」を考える

――2番目の「近未来の出生前検査」というのはどんなものですか?

詫摩:おととし2015年あたりから「新型出生前検査」が話題になっています。これは妊娠のごく初期の段階で、本当に限られた疾患だけなんですけれど、3種類の染色体の数に異常があった場合はそれを検出することができますよ、というものです。

日本でもすでに、臨床研究という形で(人に対して)行われています。

もともと出生前検査というのは、お腹の赤ちゃんが順調に育っているか確認したい、という親御さんの素朴な気持ちに応える技術だったと思うんです。ほとんどの方が受ける超音波検査などがその例でしょう。お医者さんからすると、難しいお産になりそうとわかれば万全の準備を整えるためのものだったし、今でもそうです。でも、新型出生前検査で病気を検知したら、とても残念だけれど今回は出産をあきらめる、という選択をする方も多い。現実に、そういう検査があるわけです。

そして、この技術もどんどん進化しているので、将来的にはおそらく、お母さんが妊娠に気づくかどうかくらいのタイミングで、「生まれてくる子どもは、こんな子になりそうですよ」ということが、かなりいろいろ要素についてわかるようになるでしょう。

そのときに「どこまで知りたいですか?」ということを、みなさんに問うのがこの企画です。自分たちはいったい子どもに何を望んでいるのか? 正常って、普通って、なんだろう?と考えて、価値観の揺さぶりを感じていただこうと。

議論が少ないまま現場で進んでいく、生殖補助医療

――3つ目の「第三者が介入する生殖補助医療と制度」というのは?

詫摩:「第三者が介入する」ってちょっとわかりにくいと思うんですが、精子提供や卵子提供、代理母出産といった生殖補助医療のことです。

たとえば、不妊のカップルとか、同性カップルとか、自分たち2人だけでお子さんを持つことがなかなかできない、でもやっぱりお子さんをほしい、という方がいますよね。

そういったときに、もちろん養子縁組という旧来からのやり方もあるんですが、第三者の方から精子や卵子の提供を受ける、あるいはお母さんのお腹をお借りする、ということです。

これらはあまりきちんとした議論がないまま、現場でどんどん進められている技術なんです。やはりみんなできちんと話して考える必要があると考え、取り上げています。

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