「第二新卒」で転職したい人に立ちはだかる壁 新卒は求人難なのに、転職は容易でない事実

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ちなみに採用方法は人物評価や社風に合うか? など新卒対象とほぼ同様の点を重視する企業が多くなっています。マイナビの調査でも約4割の企業が新卒採用と同じ採用プロセスにのせて実施しているとのこと。

入社後は新卒同期と同じ人事キャリアで取り扱われるケースも多く、うまく活用できれば2度目の就活機会(学生時代の就職活動のやり直し)を得ることになります。こうして若手人材が仕事探しの機会を増やせることは望ましいことですが、求職者たちはどのように第二新卒の転職に向き合っているのでしょうか?

就活が納得いなかった人の「リベンジ熱」

まずは求職者における成功ケースを紹介します。取材したGさんは中堅広告代理店に新卒で入社。ただ、第1希望であった大手広告代理店に最終面接で落ちたことが内心ひっかかったままで仕事をしていました。現在の職場環境に大きな不満はないものの、

「最終面接で、自分をしっかりアピールできなかった気がする。悔いがあり、もう一度機会が欲しい」

と思っていました。すると、求人サイトで悔いが残る「あの会社」が第二新卒で求人を行っていたのです。ならば、ぜひともエントリーしてみよう……とサイトから応募。そして、見事内定を得て、学生時代の第1希望である会社に転職が実現しました。

Gさんのように第二新卒の転職を目指す人がよく口にするキーワードが「リベンジ」。新卒での就職活動が望んだようにならず、不満や不完全燃焼の気持ちがあり、「やり直したい」との気持ちがあるようです。

世間で、この「リベンジ熱」が高まる要因となったのが、2回の就職氷河期といわれています。1回目の氷河期はITバブル後の2000年〜2002年前後。そして、2回目の氷河期は2008年前後のリーマンショックといわれています。

この2つの氷河期の時期は、企業が新卒採用を控えていたこともあり、不完全燃焼感を抱える人を多数生みだしました。ところが、景気が回復すると急激な人手不足になり、求人ニーズが高まりました。そんななか、自分が入社した会社の職場環境は残業が多いとか、給料が少ないとか、尊敬できる上司がいないなど不満があると、「リベンジを」との思いをもつ人もいるかもしれません。

次ページしかし、リベンジの成就は簡単ではない
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