当方もリクルート在籍時代に、第1回目の就職氷河期世代が第二新卒としてリベンジを行う状況に遭遇しました。大企業が新卒採用を抑制しすぎた反動で、業績が回復すると大幅な人手不足に陥りました。そこで人材紹介部門には「100人単位で採用したい」という荒っぽい求人がありました。その求人に対して応募した第二新卒の対象となる若手人材が続々と転職していきました。
時期的には2004年ごろ。第二新卒の転職市場が世間で初めて認知された時期かもしれません。あれから景気が悪くなると第二新卒の求人は減り、景気が戻ると増えることを繰り返しています。
そして、現在は再び、第二新卒の求人が増えている時期。第二新卒での転職は成功の確率が高いと謳う転職エージェントのメッセージや第二新卒を歓迎する求人が、ネット上などで多数見られます。
第二新卒での転職は簡単ではない
ところがリベンジの成就は簡単ではないようです。たとえば、中堅商社に新卒で入社したSさんは、就職活動で第1希望であった大手総合商社への転職を希望して活動を開始。転職サイトを探したのですが、希望する会社の求人は見つけることができません。そこで、転職エージェントにエントリーしてキャリアアドバイザーと面談。希望を伝えたのですが、
「あなたの希望する会社の求人はありません。それよりも、ベンチャー企業に転職する気はありませんか?」
と本人の意向とは違う会社を続々と紹介されてしまいました。その後、活動は停滞して、現在はあきらめてしまったようです。同じように意気揚々と、今なら学生時代に入社できなかった会社に転職できるかも……と転職活動に入りながら実現できなかった話をよく聞きます。
その理由として考えられることは大きく2つ。1つめは第二新卒を積極的に採用している会社がまだ限られていること。もし新卒で十分採用しきれなかった場合の最終手段としてとらえており、よほど足りないということにならないと、採用しようという決断に至らない企業はまだたくさんあります。
2つめとして第二新卒を活用するのは新興系の企業が中心となっていること。リベンジ対象にしたい大企業、有名企業は第二新卒を募集しておらず、応募できないというケースが多々あります。当方が知る範囲では、2005年あたりにメガバンクや大手電機メーカーが第二新卒を大量採用した時期に転職活動していた第二新卒組で
「地方銀行に入行しましたが、転職活動してメガバンクから内定が出ました。リベンジを実現しました」
と喜ぶ声を聞いたぐらいです。
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