「第二新卒」で転職したい人に立ちはだかる壁 新卒は求人難なのに、転職は容易でない事実

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このように第二新卒での転職は簡単ではありません。ならば、どうしたらいいのか? リベンジとは過去ではなく未来志向で考えるべきなのかもしれません。

自分を活かせる会社を幅広く探す

学生時代に落ちた大企業よりも、(わずかながらの)社会人経験からみえてきた「自分を活かせる場所=中堅企業」を探し、転職に挑戦するのです。

例えば、知名度はないけど世界シェアの高い製品を開発して社会的価値の高いサービスを提供している製造業や、地方にある伝統的な企業など学生時代には気が付かなかった業種、業界で「幅広く」転職先を探すのです。

取材した茨城県に本社を置く創業100年を超える老舗菓子製造業の会社は、新社長が就任したことをきっかけに現在を「第二の創業期」と定義。これまで、地元中心に販売していましたが、東京向けビジネスを行うことを決定。そこで新たな商品の開発やマーケティングを行う必要が出て、その役割を担う人材を第二新卒で採用することにしました。大企業の同業では経験できない仕事を若くしてできるチャンスではないでしょうか?

あるいは、静岡県にある中堅の家具メーカー。アジアで高い評価を受けているデザイン性の高い商品をもっており、さらなる海外展開をすることになり、そのプロジェクトメンバーとして第二新卒の採用を実施。語学力がなくてもやる気があれば…という海外赴任を希望する人には希望にあふれた職場です。大企業への転職はブランドを得ることで満足するかもしれませんが、中堅企業でやりがいを得て、リベンジを実現してみてはどうでしょうか?

もちろん、自分を活かせる会社を幅広く探すのは簡単ではありません。時間をかけて、自分のやりたいこと、やれることの棚卸や業種・業界研究をする必要があります。こうした活動に関して、サポートしてくれる機関も徐々に増えています。たとえば、第二新卒の転職に関して長時間のキャリアカウンセリングを行うベンチャー企業のUZUZや「東京都」が設置した東京しごとセンターのように既卒者、第二新卒専門の行政による転職支援サービスなど。こうしたサービスもうまく使うとよいでしょう。

さて最後に、第二新卒の転職を増やすことは、日本政府が目指す「働き方改革」のテーマの1つ「多様な採用機会の提供」につながると考えます。その実態に継続的に注目して、推進するための環境整備はすすめていくべきではないでしょうか。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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