イタリアを目指す「難民」の知られざる素顔 映画「海は燃えている」の監督が語る
映画には使われていないけれど、実際にカメラを回していたシーンはたくさんある。でも僕は、できるだけ相手のポジティブな面を描きたい。
「ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ」(※)のように、相手の弱点や欠点をわざわざ見せるようなことはしたくないんだ。
困難にあっても明るくあれ
──最後に「GQ&A」に出演されたすべての方に伺う質問でインタビューを終えたいと思います。監督が考える理想の紳士像は?
「信頼できる人」、そして「この人から信頼されたいと思わせる人」だね。ひとたび信頼関係が生まれたら決して裏切らない、というのも重要だろう。
あとは、自分の間違いを認められる人、過ちの責任をとれる人。何か深刻なことがあっても、軽やかさを持って対処できる人は魅力的だと思う。
「ユーモアのある人」という意味ではないよ。良い例がこの映画のタイトル(原題)にもなっている曲「Fuocoammare(海の炎)」で、これは第二次世界大戦中に停泊していたイタリア軍の船が爆撃され、暗闇の中で海が真っ赤に燃えたという逸話から生まれたランペドゥーザ島の伝統曲だ。悲劇的な歴史でありながらも、軽快なリズムが印象的な曲なんだよ。困難に直面しても明るく受けとめられるというのは、稀有な資質だと思わないかい?
公式サイト「海は燃えている」
(文: Sayaka Honma 写真: Tohru Yuasa (Portraits))
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