ベルギーが「過激派の巣窟」になった根本原因

首都郊外のモレンベークで起きていること

ル・ソワール紙のルディビナ・ポンスィ記者(左)とヘット・ラーステ・ニュース紙のギー・ファン=フラーデン氏
1年前のパリ同時多発テロの実行犯の数人は、在ベルギーのフランス人あるいはベルギーの移民家庭で育ったイスラム教徒(ムスリム)の若者たちだった。今年3月22日にはベルギーの首都ブリュッセルで連続テロが発生。両方のテロに関連したとみられる容疑者2人が拘束中だ。イスラム過激派集団「イスラム国」(IS)に心酔し、中東に出かける青年は日本でも出てきており、ジハード戦士問題は他人事ではない。
今回、ベルギーの新聞社に勤める2人のジャーナリストにテロ後の様子などを聞いた。まずは、ベルギーのフランス語新聞ル・ソワール(部数約6万部)の政治記者ルディビナ・ポンスィ氏に聞く。同氏は3月のテロについて、「それほど驚かなかった」という。

 

――なぜ驚かなかったのか。

犠牲者が出たことに衝撃は受けたが、フランスやベルギーでは米国の9・11テロ(米中枢同時多発テロ、2001年)やロンドン・テロ(2005年7月7日)のような、イスラム過激派による大きなテロが起きていなかった。だから、いつかは起きるだろうと思っていた。テロは民主主義社会に対する、そして私たちの生活様式に対する挑戦だったと思う。

情報を共有する体制を作り、状況は改善

――パリ・テロ発生直後、ベルギー警察は容疑者サラ・アブデスラムを取り押さえることに失敗した。その後も対応が後手に回ったようだ。どう評価するか。

当初は連邦政府、ブリュッセル市、警察が情報を共有せず、バラバラになっていた。実行犯の数人についてもすでに犯罪記録を持っていたが、これをほかの当局と共有していなかった。テロ予備軍として監視をするには至っていなかった。フランス当局との連携も非常に悪かった。今は情報を共有する体制を作り、状況は改善されていると思う。

現在までに警察側の捜査が十分であったかなどの検証が行われている。年内に1つの検証リポートが出る予定だ。

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