テロリストは「安くて簡単」な手で恐怖を煽る

「経済学」でテロの狙いを考える

テロ対策をするにはどうすればよいだろうか(写真 :Sergiy Tryapitsyn / PIXTA)
ベルギー、フランスなど各地で立て続けにテロが起き、不安な気持ちになる人も多いだろう。700万部のベストセラー『ヤバい経済学』の著者2人は、「テロ対策をするには、まず自分がテロリストだったらどのような攻撃を仕掛けるかを考えてみるところから始めよう」とウェブ上で呼びかけた。「敵を知り、己を知れば百戦あやうからず」という主旨だが、レヴィットたちの議論は、その後のパリの同時多発テロの手口に酷似していた。ここでは、危ない話満載のシリーズ最新作『ヤバすぎる経済学』から、2007年に書かれたテロにまつわる話を掲載しよう。

 

米国の運輸保安庁が、機内に持ち込む手荷物の規制の大部分は、当分今のまま続ける、ただしタバコのライターは規制から外すと発表した(編集部注:2007年時点)。歯磨き粉だの臭い消しだの水だのを持ってるいとセキュリティを通してくれないなんてむちゃに聞こえるけど、ライターの持ち込みを禁止するのはそんなにむちゃには聞こえない。

ライターのメーカーのロビー活動はどっち向きだったのだろう、ルールの変更に賛成したのだろうか、反対したのだろうか。一方では、1日に2万2000個のライターが没収されているのは業界にとって儲かりそうな話だ。もう一方では、持っていると飛行機に乗れないならライターを買う人は減るかもしれない。

自分ならどうやって恐れを最大化するか考える

書影をクリックするとアマゾンの販売ページにジャンプします

こういうルールの話を聞くと考えてしまうのは、自分がテロリストで、使える資源に限りがあるなら、どうやって恐れを最大化するかってことだ。僕なら、恐れを呼び起こすものは本当はなんなのかを、まず考えるだろう。

みんなを震え上がらせることのひとつに、自分がテロ攻撃の犠牲者になるかもしれない、という考えがある。僕ならそれを頭に置いて、自分がテロの標的になるかもと誰もが思うようなことをやろうとするだろう。それぞれの個人がテロに遭う確率はとても低くて構わない。

次ページ人々はこうすれば震え上がる
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • 高城幸司の会社の歩き方
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「賃料補助」は焼け石に水<br>飲食店を追い込む“遅い政治”

多くの飲食店経営者が自粛要請に応じています。政治に求められるのは救済プランの素早い策定ですが、与野党案が固まったのは5月8日。せめて第1次補正予算に盛り込まれていれば――。永田町の主導権争いが、立場の弱い人たちを苦しめています。