ブリュッセル連続テロは「IS弱体化」の証だ 西側は恐怖に負けず、断固たる抗戦を続けよ
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ブリュッセルでの連続爆破テロによる犠牲は甚大だ。警察の発表によると、少なくとも31人が死亡、270人近くが負傷した。悲惨で受け入れがたい残虐行為だ。しかし、西側は過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いが勝利の兆しを見せていることを銘記すべきだろう。今回のテロはISの強さというよりもむしろ、ある種の弱さに起因しているのだから。
ISはこのところ、手痛い打撃を受け続け、弱体化してきている。まず重要なことに、イラクとシリアにまたがるISの支配地域は、過去1年3カ月にわたって縮小を続けている。2015年1月以来で22%狭まったとみられ、今年に入って8%を失った。
さらに過去1カ月の間に、ISの数千もの文書が欧州のメディアにリークされた。その中には構成員の名前や年齢、学歴、スキルなどが記された名簿も含まれている。そして、ブリュッセルのテロが起きる4日前に、昨年11月のパリでの同時テロ実行グループ主犯格でベルギー出身のサラ・アブデスラム容疑者が同国で逮捕された。
追い込まれて暴挙に
支配地域縮小や名簿流出、そしてISのネットワークや将来計画を把握しているとみられる大物の逮捕といった状況が重なり、ブリュッセルのIS組織はパニックに陥った可能性がある。そして今回の自爆テロに走ってしまったのではないだろうか。
西側が見逃しているかもしれないのは、今回の爆破テロの手口が、かつての国際テロ組織アルカイダと似ている点だ。空港など交通システムを狙ったブリッュセルでの今回のテロは、2004年のマドリード列車爆破テロや2005年のロンドン同時爆破テロをほうふつとさせる。