欧州諸国の「ドイツ叩き」は不穏な未来を招く

建設的な対話をしないと危機は深まる一方だ

メルケル独首相(写真)への批判は行き過ぎているのか? (ロイター/Kai Pfaffenbach)

英国民投票でEU(欧州連合)離脱派が勝利し、イタリア国民投票ではレンツィ首相が敗北した。そのほかのEU加盟国の多くも国内問題に足を取られている。また米大統領選挙ではドナルド・トランプ氏が大統領に就任する予定だ。

そうした中、国際的なリーダーシップへの期待が高まっているのが、ドイツ政府と、同国のメルケル首相である。

ドイツがリーダーシップを発揮するには欧州のパートナー諸国の存在が不可欠だ。しかし、ドイツは多くの批判を浴びているため、パートナーを持ちにくい状況となっている。

ドイツに関する3つの誤解

ドイツが浴びている批判とは以下のようなものだ。1つ目はドイツ政府が2008年の世界金融危機を機に、欧州との連帯を避けているということだ。

だが実際には、ドイツ政府はユーロ圏を支えるESM(欧州安定メカニズム)の創設に尽力したほか、EU銀行同盟に同意した。また欧州最大の財政負担国でもある。

2つ目は、ドイツがECB(欧州中央銀行)による債券購入に同意しなかったことへの批判である。だがドイツは、ユーロを持続可能にするためのそのほかの諸施策には協力的であり、その点だけを批判するのはフェアとはいえない。

ドイツに対する3つ目の批判は、その緊縮的な財政政策によって、貿易相手国に失業などの負担を押しつけてきたというものだ。この点は的外れではないが、それが欧州の不況の主因とはいえないだろう。

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