トランプのトヨタ批判はかなり「的外れ」だ

安直なツイートでは雇用問題を解決できない

トヨタ自動車をやり玉に挙げたトランプ氏。昨年12月にフロリダ州で撮影(ロイター/Jonathan Ernst)

ドナルド・トランプ米大統領が就任前、トヨタ自動車のメキシコ新工場建設が米国の自動車生産に打撃を与えるとツイッターで批判したことは、事実を取り違えている。いつもながらの同氏のミスだといえるだろう。

トヨタは2016年11月、メキシコのカローラ組立新工場建設に着手した。だが、米国での生産分がこのメキシコ新工場に移されることはまったくない。カナダでの生産分の一部の受け皿となるだけのことである。

日本メーカーは米自動車生産を牽引

重要なポイントは、そもそも米国の自動車生産を拡大してきた牽引役が、日本や韓国、ドイツからの生産移転だったということだ。

ホンダが日本の自動車メーカーとして初めて米国での組み立てを開始してから35年。日本から移管された自動車生産の台数は、全米での自動車生産の約3割を占めるまでになった。

1980年の米国での自動車生産(トラックを含む)は801万台だったが、2015年には1210万台にまで増加。この増加分410万台のうち、ほぼすべてに当たる94%が、日本からの生産移転に伴う自動車生産台数に当たる。

米国のビッグスリー、ドイツのフォルクスワーゲン、韓国の現代自動車など、日本を除く全自動車メーカーの生産台数はこの35年間、差し引きでたった24万台増えただけだ。米国メーカーが数十もの工場閉鎖を迫られた事実からすると、その減少分のほぼすべては、韓国とドイツのメーカーが補ったものだったといっていい。

レーガン政権が日本政府と自主輸出規制の協定を結んで、対米輸出を制限させるようにした1980年代初頭に比べると、今や状況は様変わりしている。日本の自動車メーカーは、日本で生産して米国に輸出する方式を改め、すでに米国で部品調達と組み立てを行うようになっている。

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