揺れる「穏健なドイツ」、テロ事件の巨大衝撃

極右派の台頭も懸念される事態に

事件の翌日、沈痛な面持ちで現場を見舞うメルケル首相(写真:REUTERS/Hannibal Hanschke)

12月19日夜、買い物客で賑わうドイツ・ベルリンの市場に大型トラックが突っ込んだ。12人が死亡し、49人が負傷したこの事件を警察は「テロ事件」として捜査中だ。実際、イスラム過激組織「イスラム国」(IS)は犯行声明を発表している。

筆者が住むロンドンでもこのニュースは大々的に報じられた。英国メディアは、この事件をどのように報じたのだろうか。

どのような事件だったのか

事件発生は19日午後8時14分。観光客や買い物客が詰めかけていた「クリスマス・マーケット」(クリスマス用の飾り付けや食品などを販売するマーケット)にトラックが突っ込んだ。商品を並べていた木製の小屋やスタンドなどが次々と潰れた。独DPA通信によると、トラックは50~80メートルほど走って止まったという。

暴走する大型トラックが人々をなぎ倒していった(写真:REUTERS/Fabrizio Bensch)

BBCによると49人の負傷者のうち18人は「重症」だ。トラックの助手席には既に死亡していたポーランド国籍の男性ルーカス・アーバン氏が発見された。同氏はこのトラックの本来の運転手だが銃で撃たれ、刺された跡もあったようだ。

警察は、現場近くの公園で、運転席にいてトラックを走らせたとみられる男性を拘束した。男性は アフガニスタンあるいはパキスタン出身の難民で、昨年12月末ドイツに到着。ベルリンに来たのは今年2月だ。難民認定のための処理申請中だった。ドイツメディアによると、名前は「ナビード・B」(23歳)。しかし、この男性は「証拠不十分」として、のちに釈放されている。

次ページイスラム国はどこまで関与しているのか?
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 日本人が知らない古典の読み方
  • 本当に強い大学
  • ほしいのは「つかれない家族」
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
『会社四季報』新春号を先取り!<br>波乱相場にも強い大健闘企業

企業業績の拡大に急ブレーキがかかっている。世界景気の減速や原燃料費・人件費の高騰が重荷だ。そうした逆風下での大健闘企業は? 東洋経済最新予想を基に、上方修正、最高益更新、連続増収増益など6ランキングで有望企業を一挙紹介。