なぜフランス人は「イスラム水着」を嫌うのか

テロを受け西側価値観の押し付けが強まった

ブルキニを着て海水浴を楽しむ女性。マルセーユで8月27日撮影(写真: ロイター)

ほんの一握りのイスラム教徒の女性が頭(顔ではない)と身体の大部分を覆い隠す水着をフランスのビーチで着用したのを機に最近、空騒ぎが起きている。

「ブルキニ」と呼ばれるこの水着は、2004年にレバノン出身のオーストラリア人女性アヒーダ・ザネッティ氏が、厳しい戒律に縛られたイスラム女性でも公共の場で泳いだり、スポーツをできるようにするため開発した。ザネッティ氏は自身の発明が、国を揺るがす論争につながるとは思いもしなかっただろう。

騒ぎの発端は、南仏にあるいくつかの自治体の首長が地元ビーチでのブルキニ着用を禁止したことだ。その後すぐ、ニースのビーチで武装した3人の警官が1人の女性にブルキニを脱ぐよう強要している醜悪な写真が世界中の新聞に掲載された。ブルキニ着用禁止法についてはフランス国務院(最高裁判所)が無効との判断を下したにもかかわらず、海浜リゾートの一部では依然有効だ。

票目当ての思惑も

この論争は終わりそうにない。来年の大統領選での返り咲き出馬を表明しているサルコジ前仏大統領は最近、ブルキニ着用を「挑発的な行為」と語った。サルコジ氏が日和見主義からブルキニ反対を唱えていることは疑いようがない。不人気なマイノリティ排撃を助長する姿勢を示すことで、同様の主張をしている極右の国民戦線のルペン党首から大統領選で票を吸い上げたいのだろう。

サルコジ氏はブルキニ着用禁止によって、権威主義的なイスラム男性が強要してきた原始的な制約からイスラム女性が真に解放されるのだとわれわれに信じさせたいようだ。

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